05/31の日記

00:39
仁岳と見せかけてニオブン:確かに似ている、だけど違う
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「なんじゃ、ブン太は居らんのか」
「丸井ならジローと風呂に行ったぜ」
「…プリっ」
「はあ?なんだよそれ。意味わかんねー奴」
「………。」

そろそろブン太が恋しくなる19時半
愛しい愛しい恋人の部屋を叩いたら不在じゃった。
その代わりにいたのは、赤いおかっぱ。
氷帝の向日岳人ぜよ。
立海メンバーには通じる口癖も意味がわからないと冷たく返される。
なんと新鮮で辛辣な空気なんじゃ。

「まぁ、戻ってくるまで適当に座って待ってろよ」

さっきまでの辛辣な態度は何処かに無くし、向日はふっと笑ってみせる。
戻るのも面倒じゃ、ここはお邪魔するとしようかの。
あーあ、ブン太早よ戻ってきて。

「プピーナ…」
「仁王、うるせえ」
「ピヨッ」
「だからうるせえってんだよ!」

俺の一言一言に一々突っ込みを入れる向日。
そういやこんなやり取りをブン太ともしたのう。
出会った頃の記憶から始まりまるで走馬灯のように記憶が巡る、あー早よブン太戻って来んかな。

ちらっと向日を見ると赤い髪を一生懸命に整えていた。
その赤い髪はブン太によう似とる。
ブン太と違って向日のは更に細くて直毛。
おまけに色も向日の方が濃い赤だ。

俺はブン太の髪に触れるのが好きじゃ。
微かに香るシャンプーの匂いと、ブン太から醸し出される甘ったるい匂いと、色々混ざってフワフワしとるけのう。
向日の髪も、ブン太みたいなんかな。

これはちょっとした好奇心、そう自分に言い聞かせる。

「なんだよ?」
「…なんじゃろう」
「だから、お前さっきから意味わかんねえよ」

気が付いたら俺は、向日の髪に触れとった。
サワサワと、これは撫でるっていうんか。
明らかに怪訝そうに見てくる向日と目が合わせられん。
そりゃそうじゃ、いきなり他校の男に髪を撫でられとるんじゃから。
子供でもあるまいし。
こんな場面をブン太に見られれば勘違いもいいところじゃ。
ブン太お願いじゃ、今はまだ帰らないで。

「なに触ってんだよ」
「や、あの…気持ち良さそうじゃと…」
「はぁ!?お前…ば、馬鹿?」
「馬鹿とはなん……!」

バチッと目があった。距離も近い。
なんとなくブン太と似とるからって近寄り過ぎた。
突き飛ばされたりせんかと恐る恐る向日を見るとガン見されとった。
目より下か…口?いや、これは…

「お前、変なところにホクロあるのな」
「?」

いきなり態度が変わるから驚いた。
向日の意識は俺の口元にあるホクロじゃ。
珍しげに、ちょろっと指先で触れてくる。
なんでこんなもんに興味を示すのか俺にはわからん。

………あ、


「おい仁王、向日くんに何してんだよ」


最悪じゃ。

「ブ、ブン太…」
「丸井!あーこれはだな、違うんだって。今から説明を…」

「向日くんはなーんも言わなくていいんだぜ。でもお前は駄目だろい…おい仁王!」
「プリッ」
「誤魔化すんじゃねえ!」






触った感じ、サラサラしていてもフワフワはしとらんかった。
あの赤い髪も、俺が好きな匂いやなかったけのう。
似とる似とると思うとったが、やっぱり違う。


「ブン太、俺にはブン太だけじゃよ」
「お前バカ?詐欺師の言葉なんか信じられるかよ」

「プリ…」

それに、ブン太はもっと辛辣じゃ。



「でも向日くんさー、なんでお前が寄っても突き飛ばさなかったんだろ」
「あれか」
「なに、なんか知ってんの?」
「……まあの」
「え、なに?教えろい!」
「痛い痛い、ブン太痛いぜよ」



恐らく俺を通して、違う誰かを見ていた。
あいつも同じこと思うとったんかな。


だったらさっきのアレも、お互い様じゃ。






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え、なにこれ…!
っていう内容ですみません。
岳人とブン太は似てるよね。
仁王とあの人も似てるよね。
岳人バージョンも書きたいです。

しかし、岳人受サイトで堂々とニオブン書いてしまった(笑)
受け付けられない方いましたら申し訳ありません

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