05/30の日記

00:16
跡岳←神尾:やっぱり敵は敵
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あの大会からそんなに時が立たない内に、今までライバル関係だった他校の奴等と今度は協力することになった。

元々橘さんに頼りきりだった俺と深司にとってはまたとないチャンス!
橘さんだって、いつも俺らを第一に考えて行動していたから。
この合宿中は自分の事を優先して欲しいし、なにより千歳さんとテニスを楽しんでもらいたい。
その間に俺は、少しでも橘さんに追い付けるように頑張るんだ!

そんな中、最近気になる人が出来た。

年は一つ上で、学校も違うしこれといった接点もない。
正直敵をすぐに仲間と認識するにも時間が掛かる。
だけどあの人は、そういう隔てなく接してくるいい人だ。
そこがまた、良いんだよな。


「おーい、侑士ー」
「岳人か」
「おう。暇だから来た」
「なんや、また部屋出かいな」
「うるせー暇なんだよ」

212号室にやってきたのは氷帝学園の向日さん。
部屋に入るなりパートナーの忍足(眼鏡の方)さんと他愛もない会話をする。
ケラケラ笑ったり、本当に仲が良いんだと見せつけられてるかのようだ。
お陰で挨拶をしようにも声を掛け辛い。

「よっ、神尾!」
「あ…どうも」
「なんだよボサッとして。そういやソレ、あれから大丈夫か?」

向日さんが指差すソレとは俺の音楽プレーヤーだ。
数日前、突然壊れたところを向日さんに治してもらった。
なんでも電器屋の息子らしく、機械を直したり出来るのはちょっとした特技らしい。
あまり関わりがない俺にこんなに優しくしてくれて、良い先輩だなと思う。

「大丈夫ですよ、お陰で毎日リズムに乗れてます!」
「ぶっ、なんだよそれ。面白いなお前、なら良かったぜ。また何かあったら言えよな!」
「はいっ!」

おまけに男らしい。
橘さんとはまた一段と違う男らしさだ。
見た目はあんなに可愛いのに…かわ……やっぱり可愛い。

最近気が付いた、俺はこの人の事が気になる。
ライバルは沢山居そう(隣にいる眼鏡とか)だけど、もっとこの人のことが知りたいと思う。
どうにかきっかけを掴めないかと言葉を考えていると、212号室に人が増えた。

「オイお前ら、俺様を差し置いて一体何してんだ」

「げっ…跡部」
「…なんや、今度は跡部かいな」

確かデカイ執事みたいなのを仁王に取られた氷帝の跡部だ。
青ざめる向日さんとうざそうにする眼鏡。
正直この人は敵の中の敵だったし、今もそうだけど…。
でも、コート争いの時に手塚に変わってチームの統率を守ったりと、カッコいいと思うようにもなった。
そんな跡部さんは部屋にいる俺らを確認すると不機嫌そうに目を細める。

「俺様のモノを無断で使うとはな」

「……は?」


思わず声が出たのはわからないからだ。
意味がわからない上に、よくわからないが嫌な予感がする。

「無理ないわ、神尾は知らんのやから」
「ちょっ、やめろユーシ!」
「岳人はやめとき、神尾。跡部と付き合うてるんや」
「だー!他校の奴にまで言うなよ馬鹿野郎!!」

「…え?」

呆れる忍足さんに焦る向日さん。
ショックのあまり唖然とする俺の肩に、跡部が手を置く。


「そういう事だ。諦めろ」



その表情があまりにも自信満々過ぎて、何も返せなくなった。


敵は敵でも、少し尊敬してみたり見方が変われば打ち解けられたりする。

橘さんが前に俺に言った言葉だ。
それをついさっきまで、本当にその通りだと感じていた。


だけど橘さん、
やっぱり敵は敵のままです。
















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13分程オーバーしてしまった。。
神尾くんは良いこランキングベスト10
に入るんじゃないかってくらい良いこだと思います。
まさかの神岳にはなりませんでしたが、
神尾→岳人みたいな話が書けて良かった!
色々と捏造すみません。
絡ませるならやっぱり跡岳←神尾
かなと思い、跡部が岳人のお相手になりました。



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