東京に来てからずっと好きな奴がおる。

口が悪うて食い意地が半端ない、それでいて勝ち気で負けん気も強い。背中に羽が生えてんのとちゃうかと思う程、身軽な身のこなしをするんや。
見た目はどっちかっちゅーと可愛い系？
せやけど性格は肝が座っとって男前。まず男やから、当たり前って言うかも知らんが。影でコソコソしよる俺とは、まるで正反対な性格の奴やな。


俺はそいつの事が好きや。
好きで好きでたまらん。早よう俺のモンにしたいって気持ちも最近じゃ大きなって抑えが利かんようなってきた。
せやけどな、この感情を伝える気はないんや。
俺は弱虫やから、気持ちがバレて拒否されるのが怖いんや。今まで築いてきた大事なもんが、一瞬にして壊れる。それが嫌なんや。失いたくない。
だったら友達のままでええ。
この位置を有効活用して、あいつにまとわりつく邪魔な輩を排除する。それが俺だけに与えられた役目であり特権や。







「岳人はずっとずっと俺の目の届く場所に居ればええんや」
「ゆ、し…？お前変だよ、なんで…」
「一緒に居ってくれるやろ？岳人。…言いや、俺とずっと居るって」

そしたらずっと一緒やんか。
そんな震えんでも心配あらへんよ。
おかしな輩は俺が全部消したる。
お前に惚れたクラスメイトも部活の後輩たちも、全部全部消したやんか。もう怖くあらへんよ。

せやから俺の隣に居るんやで、岳人。



俺から離れたりしたら、お前かて許さん。








策略系狂愛男子。

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