番外編

□青春学園
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入学式を終え、それぞれの教室に入る。
当然ながら、まだ日本に帰って来たばかりの雅にとって日本での友達はまだいない。
知り合いはいるが…。



不「ねぇ」

『?』

不「僕は不二周助。君は?」

『雅、越前雅』

不「雅ちゃんって呼んでもいい?僕と友達になってくれないかな?」

『……いいけど……』




雅はいきなり声を掛けられたことに驚く。
しかも、パッと見て女子だと思ったのに、名前を聞いて男子だと分かったのも、雅が凄く驚いた理由の1つ。
取り敢えず自己紹介だけし、担任が入って来たので話を止める。



そして全てが終わった後、帰り支度をしながら2人は話す。




不「雅ちゃんはどこから来たの?この辺じゃ見ない顔だよね?」

『……アメリカから……』

不「じゃあ帰国子女?」

『そう、なるかな?生まれも育ちもアメリカなんだ』

不「凄いね。今度英語教えてよ」

『私でよければいつでも教えるよ』




話しているうちに段々と打ち解けて来た。雅は、初対面の不二に対して笑顔を見せるようになった。




不「雅ちゃんは部活決めてるの?」

『ううん。不二君は?』

不「周助でいいよ。僕も名前で呼んでるしね。僕はテニス部に入るよ」

『…やってるの?テニス……』

不「うん。小さい頃から弟と一緒にやってるんだ」

『そう、なんだ…。…一緒だね』

不「え?雅ちゃんも弟いるの?」

『うん。2つ歳が離れてるんだ。生意気だけど凄く可愛いの』

不「あ、分かる気がするよ」



それから帰るのを忘れ、2人で弟の話で盛り上がる。
かれこれ20分程話し終えた後、2人はやっと学校を出る。




『今日はありがとう』

不「え?」

『話し掛けてきてくれて。私、まだこっちに帰って来たばかりだから友達居なくて……』

不「そうなんだ」

『知り合いは居るんだけど、違うクラスだったしね…。
 だから嬉しかったんだ』

不「僕も雅ちゃんと話が出来て良かったよ。」

『じゃあまた明日ね!』

不「うん!」




雅は不二に手を振って学校を後にする。
不二もそれに応え、手を振ってから学校を後にした。





 
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