番外編

□バレンタイン〜2014ver〜
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年も明け、まだ寒い日が続く2月。
雪が降り積もり、教室の窓から見える校庭は真っ白に染まっていた。

けれどそんな雪景色とは裏腹に…。



『…はぁ……』

不「溜息なんか吐いてどうかしたの?」

『周助…』



頬杖をつき、窓の外を見ながら重く溜息を吐く雅。
そんな雅に苦笑を浮かべ、前の席に座る不二。
頬杖をやめ、前を向く雅。



不「何か悩み事?」

『ん〜……』

菊「なになに〜!?雅っち悩み事あるの〜?」

『……英二はいいよね、悩み事なんかなさそうで…』



机に項垂れ、明るい菊丸を見る雅。
そんな彼女の反応に目を丸くする菊丸。



不「もしかして、バレンタインの事で悩んでるの?」

『…毎年の課題だよ……』

菊「あれ?でも手塚とはもう恋仲なんだから、悩むことなんてないんじゃ…」

『そういう問題じゃないんだよ〜……』

菊「じゃあ数学の問題?」




首を傾げる菊丸。
確かに彼の言う事にも一理ある。

テニス部マネージャーとして部員達への義理チョコ、他校にいる友人達への義理チョコや友チョコ…。
その数はたくさんだ。




不「去年もその前も雅の手作りだったね、そういえば。」

菊「うんうん!皆絶賛してたもんね」

『…小さかったのに…?』

不「それでも嬉しいものは嬉しいからね〜」

『…そう?でも大変なんだ〜』




だが、その変わりホワイトデーには同じ位のものを貰うのだ。
それに日頃お世話になっている人達へ渡すものだから大変でも苦と感じた事はない。
だから今回の悩み事も作る数等ではない。




不「…クス なんとなくわかった気がするよ。雅の悩み事」

菊「え?え?」

『でしょう…?』

不「まぁ、捕まえたって言ってもね。」

菊「つかまえた?」




二人の会話についていけない菊丸。




『…どーしよ……』




再び机の上に項垂れる雅。
折角の雪景色も楽しめないでいた。




 
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