番外編

□ホワイトクリスマス
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街中がクリスマス一色に変わっている



『国光ー!!』

手「雅」



遠くから彼の姿を見つけ、走り寄る
以前彼から貰った指輪が首元で揺れ、光に当たって輝いた




『お待たせ!』

手「いや、俺も今来たところだ」

『嘘。』



雅はビシッと指して苦笑する
手塚は目を丸くさせている



『こんなにも手が冷たくなってるよ。待っててくれたんでしょ?』




手塚は気まずそうに視線を逸らす
その心遣いが何だかくすぐったくて、雅は手を繋ぐ




『この間開店してばかりの喫茶店があるの!付き合ってくれる?』




手塚の手を引き、ニッコリと笑う雅
目を丸くさせていた手塚だったが、すぐに優しい笑みを浮かべた




手「今日一日はお前に付き合うと言っただろう?」





少し顔を赤らめて笑う雅
そんな彼女に手を引かれ、彼女が言う喫茶店へ入る

中はとても静かで落ち着いた場所だった






手「静かな場所だな」

『でしょう?友達に教えてもらったの。デパートが出来てお客さんもそっちに集中しちゃって』

手「なるほど」

『ここならゆっくり出来るでしょ?』





折角のクリスマスデートだから二人で静かに過ごしたい
二人は奥の席に座り、メニューを決める





『う〜ん、どうしよう……』

手「何がだ?」

『クリスマスだからケーキ食べようと思って……でもチョコも良いし、このフルーツケーキも美味しそう…』





メニューを見ながら一生懸命悩む雅
そんな彼女を見て苦笑する手塚





手「俺がチョコにしよう。雅はそのフルーツケーキにするといい」

『でも甘いものあまり好きじゃないでしょ…?』

手「チョコなら平気だ。そしたら少しお前も食べれるだろう?」





手塚の提案に顔を明るくさせる雅
表情がコロコロと変わる彼女を愛しいと思う





『じゃあそうする!!』





手塚の言葉に甘え、その提案を呑む
やがてドリンクとケーキが運ばれて来ると、雅は嬉しそうにはしゃぐ
そして一口食べてみる




『わぁ!美味しい!』

手「こちらも食べてみるか?」

『うん!』




手塚が頼んだチョコケーキの一角を食べる雅
その顔は幸せそうだ




『美味しい!!チョコとクリームの甘さが絶妙!!そこにふわふわのスポンジも加わって口の中でとろける!!』

手「幸せそうだな。昨日も食べただろ?」

『昨日とはまた別よ!ねぇ、こっちも食べてみて!!フルーツの甘さと酸っぱさがクリームとスポンジと混ざり合って絶妙な味を出してるの!!』





雅にせがまれ、苦笑いを浮かべながら一口食べてみる
なるほど、これは雅が美味しいとはしゃぐわけだ





『ねぇ?美味しいでしょ!?』

手「ああ…お前の好きそうな感じだな」

『えへへ』




本当に幸せそうにケーキを頬張る雅昨日も皆で食べているのによく飽きないなぁと思う手塚だった




『また来ようね!!二人でゆっくり!』

手「ああ」







 
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