番外編

□乙女の意地
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ある日――。




『う〜(泣』

母「どうしたの?」

『アレです。アレ』



朝起きた雅は制服に着替え、下腹部をさすりながらリビングに姿を現した。
雅の「アレ」に同じ女性である母はすぐに気が付いたらしく、気遣わしげに声をかける。




母「大丈夫?顔色悪いけど……」

『取り敢えず大丈夫だと思う……。…それに今日は休むわけにもいかないし……。』





正確には今日も、だ。
雅にとっては恋人である手塚との時間は貴重だ。
手塚は生徒会長兼テニス部部長。
忙しいわけではないものの、二人一緒に居られる時間はとても大切だ。






母「あんまり無理しちゃダメよ?貴方は重い方なんだから」

『は〜い。じゃあ行ってくるね〜』

母「いってっしゃい」






母に見送られ、雅は怠そうにしつつも家を出る。
ちなみにリョーマはまだ寝ている…。









不「雅、おはよう」

『周助君、おはよう〜』

不「どうした?顔色悪いけど……」




教室に入って最初に声を掛けてきたのは席が後ろの不二。
そこに元気な菊丸がやってくる。





菊「やっほ〜おはよう二人共」

不「おはよう英二」

『朝から元気だね〜羨ましい限りですわ〜』

菊「にゃ?どうかしたのかにゃ?」






雅は怠そうに2人の問いに答える。





『アレですアレ…。』

菊「にゃ?」

不「あぁ。アレね、アレ」

『そうです。アレです』





「アレ」と言われて分かる不二は納得したように頷く。
一方「アレ」と言われても分からない菊丸は首を傾げる。





 
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