君との軌跡U

□第41話「デートだ!!」
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手「只今戻りました」

『えっと、お邪魔します』



家の中に入った手塚に続き、雅も遠慮がちに入る
すると中から足音が響いた



彩「あら、いらっしゃい雅ちゃん」

『はい、お邪魔します』



来客用のスリッパを履き、中へと上がる




彩「国光の部屋かしら?」

手「ええ」

彩「なら後でお茶を持って行くわね」

『あ、お構いなく』

彩「いいのよ。ゆっくりしていってね」

『ありがとうございます』





手塚に案内されるまま後を行く雅
そして手塚の部屋に入り、荷物を置く
それと同時にお茶やお菓子を持った彩菜が入ってくる





彩「雅ちゃんのお口に合うかわからないけど」

『いいえ!私和菓子とか大好きなんです!』

彩「なら良かったわ。二人でゆっくりね」

『ありがとうございます』





彩菜はニッコリ笑って部屋を後にして行った
雅は部屋を見渡し、そっと呟いた





『相変わらず綺麗だね。ちゃんと整理されてる。』

手「そうか?」

『うん。リョーマとは大違い。せっかく片付けてもすぐ散らかしちゃうんだもの』




溜息をつきながら差し出されたお茶に礼を言って飲む
日本茶独特の苦味が口内に広がる




『美味しい』

手「そうか。これは俺も好きでな」

『なんか分かる気がする。』




ほのぼのとした空気が二人の間に流れる
そしてお互い飼い猫の話や釣りの話をしてゆっくりと時間を過ごす




『あ、お茶なくなっちゃったね。入れてくるよ』

手「いや、俺が入れて来よう」

『なら二人で行こう!彩菜さんたちも居るし、みんなの分入れようか』




雅に推されるまま台所へと向かう
その途中突然手塚の携帯が鳴る




『大丈夫だよ?』

手「すまない。」




手塚は携帯を開いて電話に出る
向こうから聞こえて来たのは乾の声




乾《――というわけなんだ。面白そうだから見に来ないか?手――》ピッ




手塚は乾が言い終わらないうちに電話を切る




『国光?』

手「何でもない。悪戯だ。」

『え?でも聞こえたのは貞治くんの声だよ?』

手「似てただけだろう。」

『え?』




先を行く手塚を首を傾げながら雅は付いて行く






  
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