短編

□好きだけど苦手ってのもあり
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「礼ちゃん!」

「は、はい!
何でしょうか?」

ねねの剣幕に押されて、礼は無意識に背筋を伸ばして正座する。
ねねは礼の前までやってくると、手を腰に当てる。
礼はねねの顔をバレないように盗み見る。
怒ったときに見せる表情ではない。
それに少し安堵して、少し身体から力を抜く。
そして少し微笑んで、もう一度、ねねに尋ねる。

「私に何か御用でしょうか?」

この微笑みが、すぐに不自然に固まることを礼はまだ知らない。

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