零れたNectar

□聖域
2ページ/2ページ







「着きましたよ。」




教皇の居る執務室へと足を運び、私を部屋へと誘導する。




「…失礼します。」




浅く頭を下げながら部屋の中央へと進み、視線を前に正すその先には、数ヶ月前の青髪の男と、緑の髪をした男。恐らく此奴が教皇…




「良く来たな。そこに掛けてくれ。」




そう言い、教皇は近くの椅子に手をやる。




「では、私はこれで失礼します。」




それが合図だったかのように、ムウは下がり、扉を閉めた。




「………。」


「まずお前の名を聞こうか。」


「…ラテュ。」


「ふむ…ではラテュ。私はシオン。教皇だ。この間お前を迎えに行った彼はサガだ。」


「ムウから聞いた。カノンと双児宮を守る聖闘士、だったな…」


「そうだ。」




教皇シオン…何処かで、聞いた様な…




「所で、ラテュは一体何が理解出来ぬのだ。」


「…全て、だ。」


「全て…?」


「…自分で分かって居た筈の今までの気持ちが…全て、噛み合わない。自分が本来すべき事が、何か分からなくなった。…最早何かを考える事すら苦だ。」


「…ならば、お前の小宇宙の正体を探っている間は、この聖域居ると良い。」


「別に、気など遣って下さらなくても結構です。」


「いや、暫くは此処に留まって貰う事になるだろう。今はご不在であらせられるが、アテナとは会って貰わねばならん。」


「………分かりました。」





私は、しばらく聖域に住む事になった。


それは構わない。


…だが、彼奴が居ると言う事が堪らなく不快だ。




次→
*******************


始めましての久しぶり。

☆修正日14/3/10

前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ