A M O U R -アムール-

□進んで着いて、何をしよう
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…朝。



混乱はしてたけど、取り敢えず休まないとやばいかな?


…って思ったから、すぐに休んだ。




「…参ったなぁ…」




ベッドの上でゴロゴロと唸る私。




「…カードはあるけどうちの子居ないし…」




…どうしようもない。


ティエトルは帰って来ないだろうし、オルローレは何処に居るかも分からない。




「それ以前に私をどうにかしなくっちゃ…」




起き上がって、タウンマップを開く。




「…ヒョウタくん、これ聞いたら怒るだろうなぁ…」




…合わせる顔、ないなぁ…




「…喫茶店、ある。」




…此処で、コーヒー飲みながらゆっくり考えよう。




「…とりあえず、ジョーイさんに手とデコの治療、頼もうかな…」




…包帯巻いただけだから酷くなってそ…


拳とか血滲んでる。怖。


…着替えて、PCのカウンターまでゆっくり歩いていく。




「おはようございます。ジョーイさん。」


「あら。おはよう、薫くん。昨夜は、よく眠れたかしら?」


「はい。おかげさまで。」





ジョーイさんが私の事を“くん”付けしてくれる。少し声低くしてるからちゃんと男子にはみえてるみたい。




「…昨日から気になっていたんだけれど…」


「なんです?」


「…貴方、その傷はどうしたの?」


「あぁ…これは、ちょっと…色々ありまして。」


「そう…手当てはちゃんとしたの?」


「ちゃんとはしてなくて、巻いただけです。…出来れば、お願い出来ますか…?」


「勿論よ!さ、こっちにいらっしゃい。」


「ありがとうございます。」





流石ジョーイさん。


自分から切り出さずに済んだよ。




「それと…」


「はい。」




あぁ…


分かってる。




「貴方のポケモン達は、休ませなくても大丈夫なの?」




ごめんなさい ごめんなさい。




「大丈夫です。ありがとうございます。」


「そう?なら良いけど…」




このボールは空。


ごめんなさい ごめんなさい。


大丈夫じゃないのは私。


ごめんなさい。





「酷いわねぇ…何をしたらこうなるの…?」


「はは…ちょっと…」




薬が傷に滲みて痺れる。


でも、痛くなんてない。


それ以上に胸が痛くて、拳に痛み何て感じない。


あぁ…


泣きたい。


散々泣いたのに、また泣きたい。




「…はい。これで良いわ。」


「ありがとうございます。」


「でも、暫くは休めておいた方が良いわ。バトルも、ボールを投げるのはなるべく控えた方が良さそうよ。」


「……。」




…いや、バトルはしないし出来ない。


だから……




「大丈夫です。バトルは少し、休止しようと僕も思っていた所なんです。」




とにかく気持ちを静めなきゃ。




「ええ。それが良いわね。…でも…」


「…? どうしたんです?」


「それが…最近、この辺りにはよく変な人が来るのよ。」


「変な、人…?」


「ええ。何かを探っているみたいなの。」





…いい予感は、しない…かな。




「そうですか…」


「でも、このソノオタウンにはとっても強い人が居るから、心配はないわ!」




強い人…




「少し心配させてしまったかしら…?ごめんなさい。しばらく此処に滞在するなら、知っておいた方がいいと思って…」


「あ、いいえ!とんでもないです。教えてくださって、どうもありがとうございます。気を付けます。」


「そう?良かったわ。」




…変な奴か…


私が知ってる変な奴って、あの集団しか思い付かないけど、違うかな…?




「これから、どうするの?」


「あ。はい。これからは…まだ、そんなに考えてはいませんが、喫茶店にでも入って落ち着こうかなと、思っています。」


「まあ!それなら、いい所を教えてあげるわ!飲み物もケーキもとっても美味しいのよ!」


「ホントですか?ありがとうございます!楽しみだなぁ」




こうしてると、いつもと変わらない感じがするんだよね。


…うん。


“いつも”と…






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