A M O U R -アムール-
□もろい
1ページ/4ページ
「さあ!コトブキシティに再びしゅっぱぁーつ!!」
『しゅっぱつですー!!』
おはようございます、皆さん!!
新しい仲間も加わり、捻くれてるけど… 上機嫌の薫です!!
『ははうえ、コトブキシティのつぎは どこいくですか?』
オルローレはただいま、私の頭の上でーすっ☆
「コトブキシティの次はクロガネシティだよ!順調に行けばすぐに着くからね!」
「頑張っても2日掛かるよ。」
「知ってるよ、そんくらい…」
…この子の性格、絶対“なまいき”だと思います。
その他にこの子に当て嵌まる性格って何ですか!?
『クロガネシティって、ヒョウタさんとズガイドスさんのところですよね!』
「うん、そうだよー!」
『わぁーっ!はやくあいたいですーっ♪』
「オルローレはヒョウタ君とズガイドス君大好きだもんねー♪」
『だいすきですー!』
「…アンタ達、ホント呑気だよね。」
あ。
そう言えば、擬人化の事は昨日の内に話を済ませました。
そしたら…
『ふーん…? あ。それじゃあ狭っ苦しいボールに入らなくても良い訳だ。 …って事で、それ寄越せ。』
…って、『アムールの涙』強奪されました(涙)
…それ、私の大事な物だと言ったら…
ジャイアン的回答されて僕涙目です。
「テンション低いぞ、ティエトル!旅は楽しく行こうや!!」
と、言う事で…
嫌がらせテンションでもしてやろうかと思います☆
「おお。間に合ったか。」
「あれ…ナナカマド博士?!」
何か知らんが、博士が態々お見送り?!
ば…バカな!←
「ウム。昨日渡し忘れてしまった物があってな。」
「渡し忘れてた物…ですか?」
ん?
トレーナーガードは貰った。
ティエトルとそのモンスターボールも貰った。
…他に貰う物…
あった、っけ…?
「これを…君に完成させて欲しいのだ。」
「…え?」
完成?
それって…
え?
「ポケモン図鑑だ。」
UWOOOOOO!!!?
もらっ、も、もりゃ…っ…!
マジで貰って良いんすかぁぁぁぁぁ!!!?
「…良いんですか?」
「勿論だ。ポケモンの言葉が分かる君なら、きっと完成も近くなると思ったのだが…どうかね?」
「っもちろんやります!態々持って来て頂いて、ありがとうございます!!」
ポケモン図鑑まで貰える何て、ホント夢じゃないよね?!
「ウム。君なら、やってくれると思っておった。」
「ナナカマド博士。ポケモン図鑑、必ず完成させて見せますね!!」
「それは心強い。 だが、くれぐれも無茶をせぬようにな。」
「はい!!」
ナナカマド博士に手を振って、浮かれて出発じゃあーーーっ!!
「ずっかん、ずっかん♪ポっケモーン図ー鑑〜♪」
「変な歌、歌わないでくれる?ウザイから。」
「いーぢゃん別にぃー!嬉しさを歌で表して何が悪いの!」
「ウザイし、耳障りだし、音痴で近所迷惑。葉っぱがしおれるよ。」
「ひでぇぞ、コラ。」
私の歌は滅びの歌か。
「…使おうと思えば使えたりして。」
「は?何が?キモ。」
「君の一言は確実に僕の心臓を串刺しにしてるよ。」
ズバズバ言われるの苦手何だけど…
度合いによっては泣くぞ、マジで。
「あーあ…たった1日とちょっとで私の心ボロボロ。」
「えー?アンタがそんなにか弱い乙女な訳ないから。 そう思ってんなら、死ねば?」
「マジで泣いていい?」
「泣けば?そして枯れろ。」
「…酷い。…酷すぎるよ、君…」
君が思ってるより硝子だと思うよ…
私の心臓。
「オルローレ…私の味方は君しか居な…い、よ……?」
………………え…………………
「えぇえええええええ!!!?
オルローレが居ないぃいいいいい!!!!!」
さっきまで私の頭に乗ってたのに!!
いつの間に下りたのーーーーーっ!!!?
何だよ、この急展開!!
焦る、焦る!
ヤバい、ヤバい!!
「オルローレ、オルローレーーー!?」
誰かに拐われたらどうしようーーー!?;;
小さいからそう遠くへは行けない筈だよね?!
でもあの子リオル!!
3つの山と2つの谷を簡単に越せちゃう!!
いやぁぁぁーーーーっ(泣)
お願い、出て来てーーーーーっ!!!(涙)
「何処に居るのーーー!?オルローレーーー!!」
「あー。あのチビ、アンタが僕とばっかり話してるから逃げちゃったんだぁー、可哀想だねー。」
うぅっ…
アンタの言い方、全っ然可哀想って思ってないから…!
「ティエトル?オルローレは確かによく嫉妬するけど、居なくなったり何かしないよ!あの子には私が必要だし、私もあの子が必要なの!居なきゃダメ!超必要なの!!」
癒し的な意味でもね!
「それにあの子は私のパートナーだよ?!そんな簡単に私から放れたりしないっ!!私が離さないッ!!」
「───じゃあ、オルローレが野生になりたいって言ったら?」
「!?」
…オルローレが、自分から………?
っ…真に受けちゃダメだ…!
あり得ない、あり得ない!!
絶対にあり得ないんだから!!!
………っ……で、も………
「オルローレが、自分からそう…言ったら……………」
「“言ったら”?」
「………っ………」
「…ハッ! そんなの、アンタが駄目だって言うに決まってけど?」
「っ逃がすよ!」
「…え?」
…………私が、一番大事に…する、のは…………
「…私は、ポケモンの意見を…尊重、する。」
「……………。」