A M O U R -アムール-

□もろい
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「さあ!コトブキシティに再びしゅっぱぁーつ!!」


『しゅっぱつですー!!』





おはようございます、皆さん!!


新しい仲間も加わり、捻くれてるけど… 上機嫌の薫です!!





『ははうえ、コトブキシティのつぎは どこいくですか?』





オルローレはただいま、私の頭の上でーすっ☆






「コトブキシティの次はクロガネシティだよ!順調に行けばすぐに着くからね!」


「頑張っても2日掛かるよ。」


「知ってるよ、そんくらい…」





…この子の性格、絶対“なまいき”だと思います。


その他にこの子に当て嵌まる性格って何ですか!?





『クロガネシティって、ヒョウタさんとズガイドスさんのところですよね!』


「うん、そうだよー!」


『わぁーっ!はやくあいたいですーっ♪』


「オルローレはヒョウタ君とズガイドス君大好きだもんねー♪」


『だいすきですー!』


「…アンタ達、ホント呑気だよね。」





あ。


そう言えば、擬人化の事は昨日の内に話を済ませました。


そしたら…



『ふーん…? あ。それじゃあ狭っ苦しいボールに入らなくても良い訳だ。 …って事で、それ寄越せ。



…って、『アムールの涙』強奪されました(涙)


…それ、私の大事な物だと言ったら…


ジャイアン的回答されて僕涙目です。





「テンション低いぞ、ティエトル!旅は楽しく行こうや!!」





と、言う事で…


嫌がらせテンションでもしてやろうかと思います☆





「おお。間に合ったか。」


「あれ…ナナカマド博士?!」





何か知らんが、博士が態々お見送り?!


ば…バカな!←





「ウム。昨日渡し忘れてしまった物があってな。」


「渡し忘れてた物…ですか?」





ん?


トレーナーガードは貰った。


ティエトルとそのモンスターボールも貰った。


…他に貰う物…


あった、っけ…?





「これを…君に完成させて欲しいのだ。」


「…え?」





完成?


それって…


え?





「ポケモン図鑑だ。」





UWOOOOOO!!!?



もらっ、も、もりゃ…っ…!



マジで貰って良いんすかぁぁぁぁぁ!!!?





「…良いんですか?」


「勿論だ。ポケモンの言葉が分かる君なら、きっと完成も近くなると思ったのだが…どうかね?」


「っもちろんやります!態々持って来て頂いて、ありがとうございます!!」





ポケモン図鑑まで貰える何て、ホント夢じゃないよね?!





「ウム。君なら、やってくれると思っておった。」


「ナナカマド博士。ポケモン図鑑、必ず完成させて見せますね!!」


「それは心強い。 だが、くれぐれも無茶をせぬようにな。」


「はい!!」





ナナカマド博士に手を振って、浮かれて出発じゃあーーーっ!!





「ずっかん、ずっかん♪ポっケモーン図ー鑑〜♪」


「変な歌、歌わないでくれる?ウザイから。」


「いーぢゃん別にぃー!嬉しさを歌で表して何が悪いの!」


「ウザイし、耳障りだし、音痴で近所迷惑。葉っぱがしおれるよ。」


「ひでぇぞ、コラ。」





私の歌は滅びの歌か。





「…使おうと思えば使えたりして。」


「は?何が?キモ。」


「君の一言は確実に僕の心臓を串刺しにしてるよ。」





ズバズバ言われるの苦手何だけど…


度合いによっては泣くぞ、マジで。





「あーあ…たった1日とちょっとで私の心ボロボロ。」


「えー?アンタがそんなにか弱い乙女な訳ないから。 そう思ってんなら、死ねば?」


「マジで泣いていい?」


「泣けば?そして枯れろ。」


「…酷い。…酷すぎるよ、君…」





君が思ってるより硝子だと思うよ…


私の心臓。





「オルローレ…私の味方は君しか居な…い、よ……?」






………………え…………………






「えぇえええええええ!!!?
オルローレが居ないぃいいいいい!!!!!」






さっきまで私の頭に乗ってたのに!!


いつの間に下りたのーーーーーっ!!!?


何だよ、この急展開!!


焦る、焦る!


ヤバい、ヤバい!!





「オルローレ、オルローレーーー!?」





誰かに拐われたらどうしようーーー!?;;


小さいからそう遠くへは行けない筈だよね?!


でもあの子リオル!!


3つの山と2つの谷を簡単に越せちゃう!!


いやぁぁぁーーーーっ(泣)


お願い、出て来てーーーーーっ!!!(涙)





「何処に居るのーーー!?オルローレーーー!!」


「あー。あのチビ、アンタが僕とばっかり話してるから逃げちゃったんだぁー、可哀想だねー。」





うぅっ…


アンタの言い方、全っ然可哀想って思ってないから…!





「ティエトル?オルローレは確かによく嫉妬するけど、居なくなったり何かしないよ!あの子には私が必要だし、私もあの子が必要なの!居なきゃダメ!超必要なの!!」





癒し的な意味でもね!





「それにあの子は私のパートナーだよ?!そんな簡単に私から放れたりしないっ!!私が離さないッ!!」


「───じゃあ、オルローレが野生になりたいって言ったら?」


「!?」






…オルローレが、自分から………?



っ…真に受けちゃダメだ…!



あり得ない、あり得ない!!



絶対にあり得ないんだから!!!



………っ……で、も………






「オルローレが、自分からそう…言ったら……………」



「“言ったら”?」



「………っ………」



「…ハッ! そんなの、アンタが駄目だって言うに決まってけど?」



「っ逃がすよ!」



「…え?」







…………私が、一番大事に…する、のは…………







「…私は、ポケモンの意見を…尊重、する。」



「……………。」






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