A M O U R -アムール-

□過ぎ去りし日の使者
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「じゃあ…これがタウンマップね。」






朝。


私はヒョウタ君からタウンマップを受け取った。





「…ホントは、マサゴタウンまで付いて行きたいけど………」


「コトブキまでって約束。」





心底心配そうなヒョウタ君。





「うん……でも、本当に大丈夫?迷子にならないでね?」


「大丈夫だけど、迷子にならないってのは…無理かも;」





私が方向音痴だから貴男付いて来たんでしょう。





「よ、余計心配になる事言わないでっ!?;;」


「ぅ…ごめん…;」


『おい、ヒョウタ。』





ヒョウタ君の足下で、ズボンを引っ張るズガイドス君。


『もう行くぞ。』と言う合図。





「あぁ。分かってるよ、ズガイドス。」


『薫。野生のポケモンには十分注意しろよ。』


「分かってるよ。大丈夫だって!」


「…じゃあ、薫ちゃん。また…」


「うん!またすぐに私のカード見せに行くよ!」





にっこり笑ったら、さっきまで心配そうな顔しかしてなかったヒョウタ君がやっと笑顔になった。


…よし。





「うん。待ってるね!」


「おk!じゃ、マサゴに突撃じゃー!」


『げきじゃー!』





と、意気込んでコトブキを走り去った。


…あ。


ズガイドス君の擬人化騒動は、取り合えず簡単に説明すると…


私の持って居るこの首飾り。


これは『アムールの涙』と言う貴重なアイテムです。


それを何故わたしが持ってるんだとか言うツッコミはよしてね☆←


これは、ズガイドス君みたいに少しでも『人になりたい。』と思えば…


他人の手持ちも、野生のポケモンも擬人化出来る。


出来ると言うか、遥か昔にポケモン達が忘れてしまった『人になる力』を一時的に甦らせる力が、この『アムールの涙』にはあります。


でも、暫くの間この『アムールの涙』を持って居ると、体が覚えて自然に擬人化出来る様になるし…


長い事一緒に居たりすると、手持ちでもそうじゃなくても一度擬人化すればもういつでも擬人化出来るんですって。


だから、ズガイドス君も多分出来ると思う。


…まぁ、滅多になってくれそうにはないけど。


…と、長くなってしまって失礼!


では、旅路の方を……………


…って……あれ………





「…ねぇ、オルローレ。」


『はい。なんです?ははうえ。』


「私、今何処歩いてた?道?」





道で…


道であってくれ…!


頼む…!





『いいえ?みちなら ずいぶんまえにとおりすぎました。





NOOOOOOOOOOO!!!!!!(泣)





「…っ…だから……オルローレ…?そう言う事…もうちょっと、早く言ってくれると…私、嬉しかったな……………」





皆様。


わたくし………




即刻迷子です!!






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