A M O U R -アムール-

□初めての3匹
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『ま、僕がそんなチビに負ける訳ないけど。』


「強さを見た目で判断されちゃ困るよ!オルローレは特別何だから!!」





睨み合い、先に動いたのはナエトル。





『こんなのに負けるのは、僕のプライドが許さないね!!』


「そのプライド半減さしてやる!!“でんこうせっか”で避けて!!」


『はい、ははうえ!!』





薫の指示に、初めてとは思えない程の機敏な動きでナエトルの“たいあたり”を避けて見せる。





「続いて“はっけい”!!」


『そんなのにやられないよ!』


「あ!」


『わぁあああ!!』


「オルローレ、頑張って!! っ“こうそくいどう”!!」


『っ…はい!!』


『そんな事して何になるんだ!』





走り回るオルローレに“はっぱカッター”をそこら中に撒き散らすナエトル。




「っ危な!!υ オルローレ!躱しながら“でんこうせっか”!!」


『ッ!』


「もう一度!!」


『えーーーーーいっ!!!』


「っよし!」





一度目に続き、二度目の“でんこうせっか”もクリーンヒットして、ナエトルを地面に叩き付ける事に成功。


オルローレは一度薫の所へと戻って来る。


その間にも、ナエトルは起き上がる。





『っ…中々やるじゃん。』


「絶対負けないからね!」


『まけないです!!』


『フン!その元気がいつまで続く?』


「最後まで!」


『です!!』


『っ…ホンット、気に入らないな!!』





苛立ちを見せるナエトルは、今度は“かみつく”の体制。





「オルローレ!凄い所見せたげよう!“はどうだん”だよ!!」


『えっ…?!“はどうだん”、ですか…?』


「オルローレなら出来る!大丈夫だよ!」


『ですが……!』


「出来るに決まってるよ!だって私の子だもん!! ──さあ!ナエトルに掌を向けて、其処に精神を集中!!」


『……っわかりました!!』





迷いながらも、薫の言う通りに掌をナエトルに向け、目を閉じて波導を集中させる。


…だが、その間にもナエトルが此方へ走って来る。





『何してんのか知らないけど、行くよ!!!』


『っ…………!!;』


「頑張って!もう少し…もう少し!!」





波導は掌で未だくすぶっていて、撃てる状態ではない。


…だが、確実に波導は使えている。





『攻撃の隙を作ってくれてんの?!そりゃ、どうも!!』


「っ───…!」


『っぅああああああーーーーーっ!!!』


「! おっしゃ、来たァ!!!」





先程まで小さかった波導の弾が大きく膨張し、オルローレの掌からナエトルへと放たれた。





『ッな───?!』


「これは…!」





“はどうだん”は見事ナエトルに直撃し、爆風で砂埃が舞う。


…砂埃の中では、完全に目を回して倒れているナエトルの姿。





「───っよっしゃーーーーーあ!!!勝ったね!オルローレ!!よく頑張ったよ!!…………オルローレ?」


『…ははうえ〜……』


「あぁ…疲れちゃったんだね…」





地面に座り込むオルローレを、そっと近寄って抱き上げる。





「ごめんね?初バトルで無茶な事言って。」


『いえ、だいじょうぶです! ははうえのおやくに…ぼく、たてました?』


「うん!勿論だよ!!」


「ウム。初めてにしては見事な戦いだった。」


「ありがとうございます!!
…さて。」





ナエトルは倒れたまま不貞腐れて、近寄る薫には目もくれない。





「さあ。ナエトル。約束だからね! 大人しくボールに入ってね?」


『…フン!』


「…今は気に入らないかも知れないけど…私、君を悪いようにする気は全くないよ。」


『だろうね。…アンタみたいなお人好しに、悪巧み何か無理だよね!』


「あ。お人好しってのは、何で?」


『そんな事は自分で考えな。 人に頼るからいーつまでも、バカ何だよ。』


「う゛……い、痛い事言うな……はは…;」






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