A M O U R -アムール-

□初めての3匹
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「…じゃあ、少しの間此処大人しくしててね。オルローレ君。」


『はい………』





ポケモン達の居る庭へ置いて行かれたオルローレ。


辺りを見回し、不安そうにソワソワしていると…





『なあ。』


『?』





ポッチャマが声を掛けた。





『あなた、だれですか?』


『オレはポッチャマだ! それよりお前、あんなヤツと居て良く平気だな!』


『あんなやつ…ですか?』





誰の事か全く分からず、首を傾げるオルローレ。





『彼奴さ!キミを抱っこしてた人!』





其処にヒコザルもやって来て、そう言った。





『ああ!ははうえのことですね?』


『『は、母上っ!?』』


『はい!とってもやさしくて、すてきなかたです!』





それを聞くと、ポッチャマとヒコザルは顔を合わせてから…




『…ちょっと…彼奴はやめた方が良いよ…』


『なにをです?』


『親だよ、親!お前騙されてんだよ!』


『…え…?』


『彼奴、普通じゃないんだ!』


『さっき、其処の窓から見てたんだけどさ…凄く変な感じしたんだ。』


『人間の癖に人間のニオイじゃないんだ!』


『…ははうえは、とってもいいにおいですよ?』


『お前はしばらく一緒に居るから鼻がマヒしてんだ! っほら!嗅ぎ比べてみろ!彼奴、ポケモンのニオイもすんだよ!!』


『うわっ…や、やめてくださいっ!』


『ぽ、ポッチャマ!それは可哀想だよ!;』





自分の手をオルローレの鼻に押し当てるポッチャマを、ヒコザルが宥める。





『何で分かんないんだよ?!』


『仕方ないよ。この子もまだ小さいし…』


『───バッカじゃないの?』





そう、後ろから突然聞こえた声。


其処には…





『あ!キミは!』


『やい!いきなりバカはないだろ?!ナエトル!!』





わかばポケモンのナエトル。





『ハッ!バカだと思ったから馬鹿って言ったまでだよ。…何。お前ら其奴がガキだから彼奴は嫌いだって言わない訳?』


『っだって可哀想じゃないか!リオル、あの人に凄くなついてるし…いきなりそんな事…』


『お情け、って訳?』


『そんなんじゃ…! っ…そんな、んじゃ……』





図星なのか、言葉に詰まるヒコザル。





『其奴は今ハッキリ言っても後から言っても、あのバカ女から離れる気なんか全くないだろうね。』


『お前はハッキリ言い過ぎ何だよ!しかも言い方キツイし!!』


『ハッキリ言った方が相手の為じゃないの?普通じゃない、普通じゃないって…だったら其処のリオルだって普通じゃないんじゃない?』





出て来るなり、キツイ事しか言わないナエトル。


言い合う3匹に、オルローレは不安で一杯になっていた。





『良い?其処のチビ。』


『は、はいっ…』


『アンタが親とか言ってる奴、正直言ってムカつくんだよ。人間の癖にポケモンのニオイするし…こないだ聞いたムックル達の話しによると、彼奴ポケモンの言葉分かるんだってね。』


『はい。』


『───気持ち悪いんだよ。』


『!!』


『ちょっと…!』


『そんな奴、周りから見たら只の痛い奴じゃない?普通の人間は僕らの言葉なんか分からないんだし。』


『っ…ぼく…』


『ナエトル、やめろよ!』





今にも泣きそうなオルローレに、ポッチャマが止めようとするが───…





『ああ!それに、昨日来たレイムとか言う奴も似たようなニオイしてたんだよね?揃いも揃って…あー、イヤだ!』


『────っ……








それいじょう ははうえとレイムさんのわるぐち、いわないでくださいーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!』







…遂に、大声を上げて泣き始めてしまった。







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