A M O U R -アムール-
□特別な石ってなんですか
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えー…
わたくし、ヒョウタ君のイワーク君により、ようやく救出されました。
「…薫ちゃん…大丈夫?;」
「ぅー………?」
「…じゃ、なさそうだね…;」
今はイワーク君の身体を借りて寄り掛からせて貰ってる。
…だって…
疲れた…
「だるーぅぃー……」
『そりゃ…あれだけ連続でトラップに掛かりゃあ、嫌になるよな…』
『ははうえ、しっかりしてください…っ』
「うんー…よし、よし。大丈夫だよー、休めば治るから。…多分。」
『…聞こえていますよ。曖昧な言葉。』
「ごーめんー。」
『いえ…私は構いませんが…』
『…相当ダレてるな。』
あー…
分かるでしょうが、この敬語の子がヒョウタ君のイワーク君です。
可愛い。
岩タイプ目覚めそう。
「暫く休んだ方が良さそうだね。」
「んー…ごめぅ…」
「せめてちゃんと喋ってね。」
「あぅ…; りょーかい…」
釘刺されちゃったよ…
そんなに電波な事言ったっけかな?
『お前の存在自体が電波だ。』
「まぢか…ってか読心術はアカンよ、ズガイドス君…」
「と言うか声に出てるよ。」
「オッツァー!」
はっずかし!
やっちまったよ!
「あー、もー、あー!」
『大丈夫、ですか?』
「ぅあー!無理だわー!」
アカーン!もうアカン!!
え?これって何?
スゲー暴れたいんすケド!?
運動不足ってヤツですか!?
『───ははうえ、ははうえっ!』
んァ?
「なーに?」
『このいし、なんですか?』
「石ー?」
石って、私の頭の上に落ちて来た不届き物?
「…あ!これって…」
「お?これは“かみなりの石”フラグ?あと…“たいようの石”と“リーフの石”、それから………………………うん?」
おい、おい、おい。
こりゃねぇだろ………
「“ひみつのコハク”じゃないか!!」
「いってぇ訳だよ、こんにゃろう。」
コハクって…プテラだっけ?
とりあえず流血惨事にならなかっただけマシだけどさ。
これ、戻ったらPC連行されんだよ?
ジョーイさんにめっちゃ怒られる!!
ヤメテー!
あの人怖いからヤメテー!!
「1つのコハクにプテラが2匹も居る何て…!!」
「双子ちゃん?」
『ちげーよ。』
『大きさからして、親子だと思います。』
「へぇー、凄いねぇ。」
化石でもこう言う事あるんだねぇ…
「凄いも何も、初めてだよ!!しかも、それが薫ちゃんの頭の上に落ちて来たんだから…これを受けた薫ちゃんも凄いよ!!」
「あぁ…そう…?」
「そうだよ!!だって、薫ちゃんはこのプテラ達が傷付くのを防いだんだから!!」
「防いだお陰で僕が傷付いたよ。…ホントに化石好きだね。」
「もちろんだよ!!だって、こんなに可愛いじゃないかっ!!」
「じゃあ、私が怪我して嬉しい訳だ。ヒョウタ君、何気Sだな。」
「え?!;」
『お前もな。』
「それと、君の方が電波って事も言っておくよ。」
「えぇっ!?そ、そうなの?!;;」
君にそんなつもりがないのは分かって居ります。
『…あんまりヒョウタをイジメんじゃねーぞ。』
「そんな気ないよ〜?」
『無意識かよ。タチわりぃ。』
「サーセン。」
ズガイドス君の言葉遣いが段々悪くなってる気がするのは気のせいじゃない筈だ。
『ははうえー?』
「あ。そう、そう。この石が何か知りたいんだよね?」
『はいっ!』
「えーっと…この石はね?『進化の石』って言って、特定のポケモンを進化させる物で、ただの石じゃないんだよ。」
『とってもきれいですよね!』
「うん。」
『これ、どうするんですか?』
「薫ちゃんの頭の上に落ちて来たんだから薫ちゃんのだよ。」
「ヒョウタ君、何度も言わなくていいよ…分かってる…うん。分かってるから…」
『…で、どうするんですか?』
「…僕、要らない。ヒョウタ君あげる。」
「え!?良いのかい?!」
「うん。だって、オルローレしか居ないし…
第一人の頭に落ちて来る様な非常識な石は特別な石でも要らないです。」
『…お前…結構根に持つタイプだな…』
「地味にね〜、気を付けて〜☆」
『ウゼェ。』
「やっぱり君口悪い。」
でも、お前可愛いんだよ。
ツンデレ乙。
大好きだぜ!
「でも、本当に良いのかい?」
「うん。あんまり荷物増やしたくないし。」
「荷物?」
「うん。…ん?…あ……………あァーーーっ!!そうだよ、僕マサゴ行きたかったんだ!!」
「Σ忘れてたの?!」
「忘れてた!!とりあえずヒョウタ君に一声掛けて行こうと思ってたら迷子になったから!!」
「いや、此処で迷子になるんだったら1人で何て行かせられないよ!!」
「Σなっ なにぃ?!」
ちょっと!
何だよ、この一緒に行くフラグ!!
「だ、大丈夫だよ!ほ、ほら!1人じゃないよ!オルローレ居るし!!」
「あんまり変わらないよっ!じゃあ僕のタウンマップあげるから道に迷わないで!」
「ごめん!迷う自信がある!!」
「その自信を逆にしてーーーっ!!;;」
うっわい☆
何だ、このテンポ。
「大丈夫だよ!きっと着ける!」
「勘頼みじゃ心配だよ!せめてコトブキまで送らせてっ!!;」
『それに、お前も一応女だしな。』
「そこで君は何故理由を付け足すっ!?君も私を送る気満々かっ?!」
『当たり前だ。お前みたいなドンくさい奴、ほっとけねぇ。』
「この子マジ世話焼きだーーーっ!!;」
「そうだよね!こんな可愛い子を1人で行かせられないよな!ズガイドス!!」
『は?』
「何か今スゲー事聞こえたァァァ!!;;」
地味にそっちのフラグゥゥゥゥ!!?
どうしよぉぉぉぉぉっ!!!;;
ってか私の何処が可愛いんだヒョウタくーーーん!!
君の方が数倍可愛いんだよッ!!←
最高だぜ、君のヘルメガネ!!
『…薫さん。コトブキシティまでなら良いじゃないですか。私も貴女の事が女性の面でも、方向の面も心配ですから。』
「わぁ〜…イワーク君の言い方断りにくぅ〜〜〜……;」
「!じゃあ!」
「うん…コトブキシティまでなら、道案内、お願いしようかな。」
「御安い御用だよ!!」
『…すげぇ嬉しそうだな。』
『それだけ薫さんに好意があるのでしょう。』
「…………。」
だからそれ、すっげー困る…;
「…とりあえず、外出ない?」
「あ。もう大丈夫?」
「うん。へーき。…ありがとうね、イワーク君。」
『いえ。大した事はありません。お役に立てて何よりです。』
「そか。ありがと。」
そう言って立ち上がると、ヒョウタ君がイワーク君をボールに戻した。
僕はさっきから会話に入れなくてしょんぼりしてるオルローレを持ち上げて、ズガイドス君の頭の上に再び乗せて、ズガイドス君ごと持ち上げた。
…重っ。
持ち上げた瞬間、ヒョウタ君とズガイドス君に半端なく驚かれた。
ま、そりゃそーだね。
ズガイドス君、31.5sあるし。
オルローレだって小っちゃいけど6.0sある訳だしね。
…あ。
計37.5sぢゃん。
これは重い。(笑)