A M O U R -アムール-

□普通は要らない
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『…で?』





彼女は今、時空の中に居る。





「何のご用ざんしょ。」


『さっさと吐きなさい。』


「吐く事ないよ。そっちのミスを僕がたまたま見掛けただけじゃん。」


『はい、何を見た?』


「時空の裂目。」


『あれ?お前頭良い?』


「寧ろ悪い。でも非現実的な事実とか受け止めるのは朝飯前。」


『へぇ〜…器でか。』


『黙れ、パルキア。で?』


「中にはディアルガとパルキアが居て、パルキアがディアルガに踏み殺されかけてた。」


『そこはもう良い。』


「だから他にないって。」





テンポ良く会話が成り立っている中で、パルキアが呑気に欠伸をして、その場で横になり、居眠りを始めた。





『じゃあ、何で私達が見えたの?』


「見えないの?」


『普通見れないわよ。』


「…何でだろーね?」


『…アンタ、ふざけないでくれる?私は真剣なのよ?!』





ギャース!と効果音でも付きそうな(実際聞こえた)勢いだが…





「…あれ?」





其所で、ある事を思い出した。





『何よ。』


「君、今原型で喋ってる?」


『は?』


「やっぱりある程度力があると喋れたり擬人化したり出来るの?」


『ちょ、ちょっと待ちなさい?…そう言えば、私は原型。アンタは人間で、私達の言葉何て分かる訳………』


「…え?ディアルガちゃんが喋ってるんじゃないの?」


『誰がアンタ何かの為に一々人の言葉使わなきゃなんないのよっ!!』


「うわぁ…普通に喋ってると思ってた……」


『って言うか何気安く ちゃん付けしてんのよ!!馴れ馴れしいッ!!!』


「いや、呼び捨てじゃ失礼かと思って……」


『ちゃん付けの方が失礼よ!!!』


「ありゃ。そりゃ失礼。」


『きぃーーーっ!!ムカつくわ!アンタムカつく!!』


「ごめんなさい。何かごめんなさい。」





一方的にイライラと怒鳴り続けるディアルガ。


…其処で、目を覚ましたパルキアが起き上がり一言。





『もしかして……【愛護】?』





と。





「…まなご…?なまこ?」


『な…っ…な、何でアンタは寝てる訳!?寝起きに言われたくないわよ!!』


『ッ…ぐるっ…;;』


「ディアルガ。首踏むの止めてあげなよ、可哀想に。」





ディアルガに首を思い切り踏み付けられて、死にそうな声を出すパルキアに助け船を出す李朱。


そしてディアルガが渋々攻撃を止めたので、パルキアに近寄ると地味に泣いていた。


…ので頭(頬?)を撫でてやる。





『っぐず……ざんぎゅ……』


「うん。首へーき?」


『…! おうっ!』


『(イライライライライラ)』


「で、【まなご】…って何?」


『えっとな。【愛護】ってぇのは?ポケモンと人間の子供だ!』


「およ?」


『だからー『パルキア!!』っぅお?!な、何だよっ;;』





説明の途中で、パルキアはディアルガに引き摺られて行く。





『なぁ、何か問題か??』


『問題よ!大問題!!…確か、【愛護】って言ったら奴の子意外あり得ないじゃないっ!』


『うん、そうだなぁ。』


『すっとぼけてんじゃないわよ!アンタ、この子の事をアイツに知られたら大事でしょ!?』


『うーん…確かに、そうだな。』


『煩くて敵わないわ!だ・か・ら!───この子を戻すの!こっちに!』


『う、うん?』


『元はと言えばアンタが撒いた種でしょう!?こんな事アンタにしか出来ないんだから!!』


『あ…それは……;』


『取り敢えず、今すぐどっかに飛ばしなさい。』


『え…いや、だからそれは…』


『ずべこべ言ってないで!ほら、さっさとやるっ!!』



「…えと…何話してんスか?」





控えめにそう尋ねると、ディアルガが勢い良く振り向き、





『答える必要はないわ!ぶっ飛びなさい!!』


「Σえ!?;;」


『ご、ごめんなっ!愛っ!!』


「え?!な、何事ぉーーー!!?;;」





訳の分からないままマジで飛ばされた。








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