大切な宝珠
□Felicitations
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よう、お帰り…
どうだった？調子の方は…？
順調？そっか…、良かったな……
すまねぇな…お前一人に病院、行かせちまってよ…
仕事が忙しいとは言え…ついててやれなくて…
ん？気にするなって…？
はは、強くなったもんだよな…お前も…
最初の頃は心細くて泣いてばかりだったのによ……
まぁ、座ってろ。
今、メシの用意してるからよ。
………、俺が作ってるのかって？
俺以外に誰がいるってんだよ。
今日はお前の誕生日だろ？
俺が上手いもん作ってやるぜ。
だから、お前はそこに座ってろ。
と言っても、お前みたいに手の込んだものは作れねぇけどな。
お前の作った料理は美味いからな
弁当だって、会社じゃ有名だって知ってたか？
『原田さんの弁当は料亭で作ってもらってる』
だってよ……
知ってっか？
金払うから、お前に弁当作ってもらいてぇ…てヤツもいるんだぜ？
笑っちまうよな？
………は？
作ってやってもいいって？
バ、バカ言うなよ。
お前の作った物を食えるのはオレだけだろ？
他の奴にくれてやる必要なんかねぇよ。
ったく、お前は人が良過ぎる…
い、いや…謝る必要はねぇんだ…
そ、そういう気持ちの優しい所に、惚れたんだから…
は？聞こえなかった？
いいんだよ…聞こえなくても…
それより、メシにするぜ？
ケーキも買って来てあるから心配すんな。
駅前の何とかってパティシエがいる“パレ”って、ケーキ屋…
あれ、お前のお気に入りだったよな？
クリームのでけぇヤツ買ってきたからな。
あぁ、ろうそくは大きいにして、数少なくしたけど…
それで良かった…か？
なぁ…、俺いつも思うんだよ。
俺は…俺が幸せだって感じるのと同じ位、お前を幸せにしているんだろうか…ってな
俺はお前がここに…
俺の側にいてくれる事が嬉しい。
二人でいれて幸せだ…
なぁ、
お前も…同じ様に思ってくれてるんだろうか…てな
………そっか…お前もそう思ってくれてるのか
は？
お前の方が俺より幸せだって？
そりゃねぇな…
俺の方が…
いーや、お前じゃねぇって、俺だって…
いや、だから…
…………………………
ははっ…………なんか、馬鹿みてぇだな？
ともかく…、
お前が生まれて来てくれて俺は嬉しい…
お前が生まれた事を祝える事が嬉しい。
来年も…、これからも、
こうやって二人でお前が生まれた事を祝おうな…
いや……
来年は、その腹の子も一緒…だな。
三人で…三人でいられる幸せを祝おうな。
生まれてきてくれて、ありがとう
俺に幸せをくれて、ありがとう
俺と一緒に生きてくれてありがとう
これからはコイツも一緒にもっと幸せになろうな
誕生日…おめでとう……
fin.