薄桜鬼 短編

□嫉視
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土佐藩の海援隊に取り入る・・・・守ってきた物総てを賭けて。


女の操・思想・あの方への思い・・・・・。


その瞳に一瞬でも映りたいが為だけに・・・・。






三浦休太郎、紀州藩士、新撰組隊士が、天満屋の二階で酒宴をしていると情報が入る・・・。



女中として潜り込んでいた私は・・・あの方が此処に居ることも知っていた・・・・。






今しかない・・・・・。






陸奥陽之助、関雄之助、岩村精一郎ら16名を招き入れる。







「三浦氏は其許か」



「左様」









そんな声が聞こえる中・・・・・逃げ遅れた風情で立ち竦む女中・・・を装ってあの方の動きを見詰続ける。






好いたあの方の敵となり・・・・その刃で命を散らすというたった一つの望みの為に。





中井庄五郎が三浦休太郎に切りかかる・・・・そこへあの方が刀を構え駆け寄る。





今!!!!





瞬間的に駆け出す私の脚・・・。



中井庄五郎を庇うように貴方との間に立つ。



その瞬間・・・・貴方は驚いたように目を見開く・・・・・その刃の前に私が飛び出した事に・・・・・・けれど止められない。

鞘から抜きながら切る・・・・・・・貴方の刀が・・・その抜き打ちから流れるように私の胸元を切り上げる。





















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