薄桜鬼 短編
□淡雪
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”ピンポーン”
チャイムの音が・・・急いで玄関に向かう。
チェーンを外すのももどかしい!
ガチャガチャしながらドアを開ける・・・。
そこには、やっぱり・・・・・。
頬を染め、息を乱し、髪がぼさぼさの一君が立っていた。
「すまない、かなり遅れてしまった。」
開口一番はやっぱり謝罪の言葉だった。
想像した通りの一君がそこにいて・・・。
怒りより安堵が勝った・・・・。
『心配したんだよ?携帯繋がらないし・・・。』
玄関の中へ招き入れると、コートすら脱いでいない一君に抱きついた。
冷えた外気に晒されていたそれは、冷たくて・・・・・。
でも、身体を離す事は出来なかった。
「あぁ、充電が切れてしまった。」
すまない、そう言ってぎゅっと抱き締めてくれる一君の力強さにフッと力が抜けた。
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