DevilMayCry4

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中天に浮かぶ月の明かりは、薄い膜を張るようにフォルトゥナの街を照らしていた。


悪魔が時おり現れるために、この町では夜中に外を出歩くのは稀だった。

それが
この地方では凶兆とされる赤いつきが出ている夜ならば尚更だった。

まるで
そんな迷信を嘲笑うかのように、
1人の美しいブロンドヘアの女が堂々とした様子で夜の街路を歩いている。



「もう少しムードのある場所を選べなかったの?」



彼女
トリッシュは独り言のようにそう呟いた。



「仕方がないだろ。ついたばかりなんだ」


木から飛び降りてきた男はフォルトゥナには不似合いな赤いレザーコートを羽織っていた。



彼の名前はダンテ。
かつて魔剣士スパーダの残した伝説。
かれはスパーダの息子であった。


話は
魔剣教団の教皇が、陰謀を企んでいると
そのような内容だった。



ふと思い出した様にトリッシュは口を開く



「あの人はどうしたの?」



「……さぁな。その内帰ってくんだろ」


ダンテは
懐から銃を引き抜く。
黒い銃身にピアノの鍵盤の刻印がなされた銃は
エボニーと呼ばれている。


「その教皇ってのはもう人間じゃねーんだな?」



ダンテの問いにトリッシュは小さくうなずいた。



その遠方で、赤い月を見た犬が
二度高らかな吠え声を上げた。










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