がやがやBOX
□雨女の憂鬱
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私は雨女。ようは要の日にいつも雨を降らせてしまう雨女。
街人はこの雨を容赦無く非難する。
別に私だってなりたくてなった訳じゃない。「やめていいよ」て言われるんなら真っ先に辞めてやる!!
ていうかまだ力を制御できればいいんだよ?それなのに自分の力は雨を降らせること、それだけ。豪雨だろうと知ったこっちゃない…らしい。
こんなんだから永い年月生きているのに未だ青空もお日様も満足に拝むこともできてないし傘はいつも常備。
毎日が憂鬱―ていうかもう人生の成分100%憂鬱でできているんだと思う。
自分を雨女としてこの地に生まさせた神様を呪ったことだってある。
妖怪として生まれたんだからこの年月を有効活用したかったのに…!!
もうほんとに嫌で嫌で仕方なかった。
でもあの日から私の考えはがらりと変わった。
生憎天気は雨のままだけれども。私は傘を頭の高さまで下げて極力自分の顔が周りに晒されないようにして街を歩いていた。