過去拍手

□だってボスだもん
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オレは、落ちている紙を調べようと身を屈めた。
よく見ると、渇きかけてはいるが、その紙には鼻水のようなものが付着している。


(これは…マーモンが粘写に使った特殊紙…?なんでこんな所にいくつも落ちてんだぁ?)

そうオレが首を傾げた時だった。




「カスが…まだ避難してなかったのか?」

突然背後から声をかけられ振り向くと、相変わらず不機嫌そうに眉間にシワを寄せたボスが立っていた。


「ゔお゙ぉい、ボスさんよぉ、今日の防災訓練は一体どこに避難したらいいん…。」

そう言いかけて、オレはハッと言葉の続きを飲み込んだ。


ボスの手に集束する光球…“憤怒の炎”が目に入ったからだ。


(ま、まさか…!)

そのまさかだった。
予告も無いまま自分に向かって容赦無く放たれたボスの一撃。


「…っ!」

それをかわす為、オレはすぐ側の窓から屋敷の外へと瞬時に身を投げた。


幸いここは2階。
一般人ならともかく、ヴァリアーであるオレはこれぐらいの高さから飛び降りた所で傷を負う事はない。
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