短編
□無音
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「だいたい、何の用があって来たの?」
「今回の任務内容を伝えに来た。とりあえず、急いで着替えろぉ。」
「今、着替えようとしてたのに、スクアーロが邪魔したんでしょーが!」
「着るのは“隊服”じゃねぇ。」
「は?」
「パーティーに出れるような仕度をしろ。ドレス、持ってるかぁ?」
「一応持ってるけど…なんでパーティー?」
「テメェの今回の任務は、ボンゴレ主催の年越しパーティーに出席する事だぁ。」
「なっ…!そういうのは普通ボスが出るものなんじゃないの!?」
「面倒なんだろ。」
「そんな…!」
「3時間後に迎えの車が来る。それまでに準備しとけぇ!」
そう早口でまくし立てると、スクアーロはさっさと部屋から出て行ってしまった。
今年一番の災難だ…。
いくら見た目を着飾ろうと、ボンゴレのお偉方が集まるようなパーティーに私が出るなんて、場違いにも程がある。
しかし、今更どんなに嫌がったところでボスの命令が覆る事はない。
それ以前に、ボスに刃向かう勇気もない。
「……とりあえず、シャワー浴びて来よう。」
私は観念したように長い溜め息をつくと、重い気分を切り捨て、準備を始めた。