過去拍手
□False lover
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「久し振りね、ザンザス。あら…そちらのお嬢さんは…?」
「見てわかんねーのか?」
「フフッ…わからないわ。」
そう言いながら、彼女は私の顔をチラリと見て一笑した。
そして、ガチガチに固まっている私に問う…。
「ねぇ、お嬢さん。貴女はザンザスとどういったご関係の方?」
「えっ?!あ、あの…。」
どういう関係って…。
“ただの部下です。”…じゃ駄目よね…きっと。
よし…ここは思い切って…!
「私は…ボスの恋人です!」
「…フフフッ。あんまり笑わせないで?ザンザスの部下さん。」
(あ、あれ…?なんでバレちゃったの…?私何か変な事言った?)
私は困り果ててボスの顔を見上げた。
すると、ボスは「チッ…。」と短い舌打ちをひとつ私に寄越す。
(怒ってるーっ!)
背筋に冷たい汗が流れた。
間違いない…私は、このパーティーが終わったら、かっ消される…。
短い人生だったと、私は肩を落とした。
その時だった。
私はボスに突然腕を引かれ、体のバランスを崩した。
倒れ込んだ先は…ボスの腕の中。
そして、この展開に私の思考が追い付くより早く、首筋に落とされる甘い痛み…。