過去拍手
□False lover
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ヴァリアーのボス兼、ボンゴレの次期ボス候補というブランドに寄ってくる“蝿”こと“お嬢様達”を手っ取り早く一掃する為に、ボスは私を連れていく事にしたらしい…つまり、ボスの恋人役を私に演じろというわけだ。
けど。
目が眩むような美人揃いのお嬢様達が、私なんかを見て怯むわけがない。
「ボス、私では力量不足です。まだスクアーロを女装させた方が作戦の成功率は高いかと思われ…」
「ぶっ殺されたくなかったら黙ってついてこい。」
「…はい。」
結局、私に拒否権なんてあるわけがなく、私はボスに連れられてパーティー会場に足を踏み入れた。
簡単なボディチェックと受付を済ませると、私達は広いホールへと案内された。
ボスの姿を見るなりざわめきをみせる会場内。
そして、ところどころで上がる黄色い声。
その声のする方に視線を向けた私は、みるみるうちに青ざめた。
視線の先にいたのは、モデル顔負けのスタイルを持つ、お色気レディ。
(無理…!蝿避けなんてとんでもない!むしろ私が蝿…。)
そう心の中で自虐的な台詞を叫びながらも、腹筋に力を入れておなかを少しでもへこませようと必死になっている自分が悲しい。
そんな無駄な努力をしている間に、私達の目の前にお色気レディはやってきた。