過去拍手
□嘘のお返し
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「ゔおぉい。遅かったなぁ。」
「あ、スクアーロ。起きててくれたの?先に寝ていて良かったのに。」
「別にテメェなんか待ってたわけじゃねぇ。オレも今ちょうど任務から帰ってきたとこだぁ。」
「ふーん。」
私はチラリと部屋を見渡した。
視界に入ったのは、テーブルの上に高く積み重なった本と飲みかけのコーヒー。
そして、スクアーロに一歩近付けば、洗いたてのシャンプーの良い香りが私の鼻をくすぐる…。
…スクアーロの嘘つき。
シャワー浴びた後、何冊も本を読みながらコーヒー飲んでくつろいでいた人が“今ちょうど任務から帰ってきたとこ”のわけないじゃない。
「…ほんと素直じゃないんだから。」
「ああ?」
「本当は、私の帰りが遅いから心配で待っていてくれたんでしょう?」
「ゔお゙ぉい。勝手な妄想するなぁ。」
「あ、違うの?」
「違うに決まってんだろーがぁ。」
「じゃあ、どうして“今ちょうど任務から帰ってきたとこ”なんて嘘つくのよ。」
「……!」