過去拍手

□Secret smile
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「ちょっと、こっちに来いよ。」


「なんで?」


「いいから早く来いって。」

私は首を傾げながらも、言われた通りディーノに歩み寄った。

すると、ディーノは「もうすぐ仕事片付くから、これでも眺めて待ってろよ。」と、私の左手を取り、薬指にリングをはめた。


「ディーノ…これ…。」


「本当は後でゆっくり渡そうと思ったんだけどな…誕生日おめでとう。」


「…忘れられてるかと思った。」


「ばーか。好きな女の誕生日、誰が忘れっかよ。」


そう言ってディーノは微笑むと、私の唇を指でそっとなぞった。

そして、そのままゆっくりと唇を重ねてきた。





…さっきまで不貞腐れていた自分が嘘みたいだ。

きっと今、私は幸せいっぱいの顔してる。



でも…。

こんな顔を貴方に見られるのは、ちょっぴり照れくさい。



だからディーノ、もう少しの間このまま…



触れた唇を離さないで。






END


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