自由詩

□流れてしまった時間(トキ)
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学校帰り家への道を歩く・・・
前を見ていなくても、他の何かを考えながらでも体が覚えている道。


いつの間にこの道を覚えていたのだろう?


昔はどこへ行くにも親と一緒にいて、すぐにここがどこだか分からなくて迷子になったりもした。
何度も、何度も、お母さんと、お父さんと、一緒に歩いた道なのに
知らないうちに迷子になって、怖くなって泣いていた。

でも今ではそんな道も体が覚えていてくれるおかげで迷子になったりはしない。



昔お母さんに手を引かれて歩きながら見た風景とは少し違うところもあるけれどほとんどが昔のまま、まるで時間がとまっていたかのように感じられるときがある。
確実に何かが変わっているとすれば、地面との距離・・・

今まではすぐ目の前にあった地面があのころよりも少し遠くに見えると言うこと。
いつもどおりに、毎日を過ごしてきたはずなのにいつの間にこんなにも時間はたっていた。



このまま。今のままで生きていたらどうなってしまうのだろう・・・??




先は見えないなら希望を持てる。
だけれどもそれは同時にいつ死んでしまうかも分からない暗い未来を指しているのかもしれない――--・・・


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