長めの夢 うたプリ(♀主人公)@

□友達
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「だったらさ俺らと友達になろうよ」

………

……………は?

「あ、それいいじゃん!」

「は?」

「いいですねぇー椎名さん可愛いですし」

「え、ちょっと」

何故か話がどんどん進んでいく

「み、皆さん!それでは椎名さんの意見が…」

よし、よく言った七海さん!

「しかしながら作曲家志望であっても人とコミュニケーションをとることは必要不可欠だ」

「いや、別に…」

そんなのいらない。と声を出そうとしたら

「ソレハ、イイ考えデース!!!」

バァァァン!と聞き覚えのある声とともに扉が大きな音をたて開かれた

「あら、シャイニー!」

「話ハ聞かせてイタダキマシータ!Ms椎名!お友達を作りなサーイ!」

「えー…」

勘弁してほしい

「ミーの言うコトハ絶対デース!断るなら退学デース!」

「そんな無茶な…」

「シャイニーのいうことは絶対よ。さっさと観念しちゃいなさい」

「先生まで…」

「そうと決まればハイ握手ー!」

学園長は一番近くにいた聖川君お腕をがしっとつかみ

「ヨロシクの挨拶デース」

と言って私の前へ出した

「…………はぁ…」

恐る恐る聖川君の手へ手を伸ばす

指が触れ私の体が強張る

「…大丈夫だ、落ち着ついてゆっくりでいい」

顔を上げれば聖川君が優しい表情でこっちを見る…綺麗な顔してるなやっぱり

「よ、よよろしく…」

ゆっくり、本当にゆっくり聖川君の手を握る
白くて繊細でなめらかな指、しかし大きく男らしい手

「聖川真斗だ、よろしく」

名前を言ってから優しく握り返してきた

「次あたし!」

はいはい!と渋谷さんが手をあげる

「あたし渋谷友千香、できたら名前を呼んでほしいかなー。あ、名前で呼んでもいい?」

「別にいいけど……よ、よろしく…友千香…」

またゆっくりと友千香の手を握る

「うん、よろしく!奏!」

ぎゅっと両手で握り返される。手入れがされている綺麗な指だ

「俺は一十木音也!よろしく!」

「!…よろしく…」

今度は一十木君に先に手を握られてまた体が強張った

「あ、ご、ごめん!びっくりさせちゃって」

「いや、気にしないで…」

正直びっくりしてる。こんなに積極的に握手されたのって先生以来だ

「じゃぁ次は僕ですねぇ。四ノ宮那月といいます」

優しく手を握ってきたのは四ノ宮君

「さっきはすいません。僕可愛いものには目がなくて…」

「かわいい…?何が?」

そういえば抱き着かれたときにそんなこと言われた気が…

「可愛いですよ、さらさらの綺麗な髪に大きな眼鏡…さっきも可愛かったんですが、今のほうが可愛いですねぇ」

「!!」

じりっと迫られたので思わず後ろへ下がってしまった

「Ms椎名!ハグは大切な挨拶デース」

「う……」

学園長の言葉は絶対。先生にも言われたので四ノ宮君のハグを受け入れることに

ぎゅ…

「ふふふ、可愛いですねぇ…緊張しなくてもいいですよ」

大きな体にすっぽりと収まる形で抱きしめられる
緊張しなくてもっていうけどハグなんてほとんど経験ないから緊張するに決まってるでしょ

「いい子ですねー」

ぽんぽんと子供をあやすように軽く背中を叩かれる

「…四ノ宮、そのへんにしといてやれ」

聖川君が私に助け舟を出してきてくれた

「えー、だめですか?」

しょんぼりとした顔で抱きしめる力を少し緩めた四ノ宮君が私を見る

「…勘弁してほしい」

「そうですか…」

渋々と四ノ宮君が離れて行ってくれる。残りは…

「ほら、春歌!次あんた」

「は、はい!」

最後となった七海さんが目の前までやってきて手を出してきた。顔が真っ赤だ

「な、七海春歌といいます!よ、よろしくおねがいします!!!」

さっきより更に顔を真っ赤にさせながら七海さんは頭を下げた

「……」

なんというか可愛らしい、この子も人付き合いとか苦手そうだ
それでも必死なところを見て思わず気が緩んでしまう

「こちらこそよろしくおねがいします」

赤い顔の七海さんの手を握ると顔をあげてぱぁっと明るい表情になった

「あ、ああの!お名前で呼んでも…」

「いいよ、私も呼んでもいいかな?」

と尋ねると七海さんは首は千切れそうなほど首を縦に振った

「じゃぁよろしくね、春歌」

「よろしくおねがいします!奏ちゃん!」

更に春歌の表情が明るくなって周りに花が咲いたような幻覚が見える

「ふふっ…」

思わず笑顔になってしまう。妹みたいだ

「「「「「!!!」」」」」

私が笑顔になるとみんなの表情が変わった…あれ?

「やだ…奏ちゃんの笑顔なんて初めて見た」

え、そうだっけ?










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