長めの夢 バサラ(♂主人公)
□村へ行ってみましょう
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あれから猿飛さん以外のお客さんは来なくてお茶もすませて
「…暇」
いや、暇っていうことはみんな疲れがなくて健康なことで全然いいんだけど
旅館の手伝いやりにいっても「今は特に忙しくありませんので五十嵐さんは休んどいてください」
なんてみんなに言われたしなぁ…
「うーん……あ、小梅さん」
「はい、なんでしょう」
「村に行ってくる」
村、というのはこの旅館の麓にある小さな村で、農民の皆さんがそこに住んでいる
毎日食べている食事の野菜とか米とかはこの村の人たちからいただいている
つい先日挨拶に行き仕事をしてきたけど皆さん健康だったな
でも体を動かす仕事だし高齢の方も多いから定期的に行ったほうがいい
「では、正装に着替えましょう。女将に伝えてきます」
「うん、よろしく」
「小梅さん、おまたせ」
村に行くだけだけど旅館での恰好は許されないということで少し前に従業員の方々が俺に外行きの服装を作ってくれた
現代でいうと黒のノースリーブのインナー、ハイネックみたいになっているのを着て下は袴
それでブーツのようなものを履いて上着として白衣の袖口が広がったようなものを繕ってくれた
これが俺の正装。わかりにくいかもしれないが、とりあえず動きやすい
その恰好をして仕事道具を詰めたケースを持って広間で待っている小梅さんのところへ向かった
「女将には言っておきました。ですので今日の旅館の手伝いは不要だと」
「わかった。じゃぁその分あっちで仕事しないとね」
小梅さんも動きやすい恰好をして玄関の扉に手をかけた