長めの夢 バサラ(♂主人公)

□向こうの人と初コンタクト
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――しもし

…ん?

――もしもーし

誰だ?
聞いたことのない声…若い男の声だ



―起きてくれませんか?

声とともに肩を揺さぶられる感覚

「ん…」

段々体が覚醒を始めてくる。どうやら俺は寝ていたようだ

「ふぁ……………あ?」


まだ寝ぼけてはいるが、ここは俺の知らない場所だということはわかった


だって


俺が見える世界は


何もない真っ白な空間だった



「…どこだここ………」





何してたんだっけ?…あ、田中さんの家に行って風呂敷の上に座って…
そこから意識がない

目を擦りながら周りを見渡せば俺が自宅から田中さんの家まで持ってきた荷物達と田中さんに預けられた荷物と………足?

「おはようございます」

足のほうから声がしたので上を見上げてみれば俺より年齢がさほど変わらない男。随分整った顔だ
服装はあまり見慣れない着物。よく似合っている

「五十嵐凛さんですね?」

「え、ま、まぁ…そうですけど」

男は俺の名前を確認してから向き合うように座りにっこりと笑った




「初めまして、私は癒し処都忘れの女将兼神代軍大将の神代十兵衛と申します」

「は、はぁ…」

「まぁ訳が分かりませんよね」

「えぇ…」

そりゃココどこかわからないし長い自己紹介されても頭が追いつかないし


「では、大まかですがこの状況と私のこと、そしてこれからのことを説明させていただきますね」


男…神代さんは頭が真っ白な俺にもわかりやすい説明を始める



「まずここのことですが、簡単に言ってしまうと…夢ですね」

「ゆ、夢?」

「はい、今は私と田中さんの夢を繋がってる状態ですね。」

「…………」

ダメだ。思考が追いつく気がしねぇ

「私や田中さんのように名前が『十兵衛』の者がこのようなかわった能力を持つことができるようです。
もちろん、全ての十兵衛ではなく一部のようですが」

「…はぁ…」

「十兵衛の許可が許される者ならば夢を共通できたり別世界へ飛ばすことも可能のようです。
田中さんは十兵衛同士の夢への会談と別世界へ人を飛ばすことができるようですね」


……


………


…………


田中さんすっごい人だった!!



いや、いやいやいやいや落ち着け五十嵐凛!そんな世の中ファンタジーな世界じゃないだろ!

夢だ。これは夢なんだ、起きたら田中さんの家で風呂敷の上で!


「あのー…ここまでは理解できます?」

「一応…とりあえず全ては夢だと」

「あぁー…まぁ、今はそのような解釈でかまいません」

すいませんね




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