長めの話 太郎A
□王子様の憂鬱 ※
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※オギャ―――――!!!!!(モブがちょこっとあるよ!!!ヘルプミ―――――ー!!!!)
【ルイ視点】
『ルイ。西園寺の血族がいるとは本当か』
「……えぇ、そうです」
朝から久しぶりの電話と届けられた荷物に対応をする
『何故言わなかったのだ』
「すいません、言われていなかったもので。それに理事長が何もおっしゃらなかったので一生徒として黙っておりました」
小さな段ボールを剥がして中身を見ると昨日の騒動からすぐに用意したであろう小さなボトル
「……父様、このボトルは」
『西園寺のDNAを採取しなさい』
「…というと」
『そのボトルは特殊なものでコーティングされている。1日や2日は鮮度が保たれる』
「……………」
『わかるな、ルイ……そのボトルに西園寺の血族の精液を注げ』
「…父様、それは如何なものかと」
『桜井家の更なる繁栄のためだ。その精液をお前の姉の体内に入れ…西園寺の血が入った子供を孕ませる』
ひどく酷な父親だ
頭は仕事一色、自分の娘も息子も道具として扱うことしかできない哀れな父親
『そうなれば西園寺から支援を受けれるはずだ』
「…報復を受ける可能性があります」
『我が桜井家を報復として潰せば日本経済が大きく揺れる。そうそう手を出してくることはないだろう』
「……彼は、私の友人の一人です。あまりこのような…」
『ルイ』
ボトルを手にしながら時計の時間を見ていると父様が僕を強く呼ぶ
『お前は桜井家と馴れ初めの友人とどちらを天秤にかけるのだ』
「……………」
『わかったなら手早く済ませなさい。他の者共が手を出す前に』
「……努力します」
ブツッと一方的に電話を切られる
「………はぁ…」
ボトルを鞄の中に放り込んでネクタイを締める