長めの夢 うたプリ(♀主人公)B
□ある少女の昔話
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「え?」
「だから、仕事って言ったの」
翔たちの部屋で住み始めてしばらく、つい先日に自分の部屋での生活の許可をもらったと思えば先輩に呼び出されて第一声
「シャイニングが呼んでる。支度したら事務所に行って」
「あ…はい、わかりました…」
久しぶりの自分の部屋にやや苦戦しているのにもう仕事か…せめて楽器の整備とかしたかったな…
「失礼します」
あの出来事から社長とは会っていない、と言ってもそんなに日は経ってないけど
「HAHAHAHAHAHA!Ms椎名随分元気になりましたネー!」
「……お陰様で」
「Youの回復についてはMr美風から伺ってマース。色々と…元にもっどっているようだな」
「………はい」
社長の口調が急に真面目なものになる、そんな大切な仕事なのか
「今回、お前を呼び出したのは他でもない。ある仕事をしてもらいたい」
「………………」
「…言い方が悪いかもしれないが、今のお前だからこそこの仕事が出来ると思っている」
「……今?」
疑問に思いながら首を傾けると社長のサングラスがキラリと光る
「上手くいけばお前の心にいい影響を及ぼすかもしれんが…失敗すればお前は前に戻る」
「………」
「完全に回復していない状態だからこそ、この仕事に向き合えると判断してお前に頼もうとしている」
「…仕事は」
「行政からだ」
「………ぎょ、行政…?」
行政ってあれだよな…政治、だよな………え、それは
「……責任重大ですか」
「いや、そう硬くなることは無い。うちの事務所以外にも仕事の依頼をしている」
社長が資料らしい紙を私に渡す
「……『人の幸福キャンペーン』…」
堅苦しい書体で書かれているタイトル、とても幸福なものには見えない