長めの夢 うたプリ(♀主人公)B

□汚れたレッテル
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「おい」


部屋に響いた、低めの声



「いつまでやってんだよ、うざってぇ」

「黒さ、き…先輩…」

ドアを開けたのは眉間に皺を寄せている黒崎先輩

開けてから倒れている私と目が合った


「すぐに済むっつったから親父が貸したんだろうが、さっさと帰れ」

「…そうだな、嬢ちゃんも十分理解したはずだ…おい」

「チッ…」

お父さんが腕から足を離して部屋を後にする

「はっ…はっ…」

「嬢ちゃん、立てるか」

「…は、い…」

本当に腕が折られると思ってか、心臓がまだドクドクと五月蠅く鳴っている

手汗だらけの手を床について立ち上がる

頭を殴られた所為か、少しフラフラする

「先輩…ありがとうございました」

「別に礼を言われることしたわけじゃねぇ、勘違いすんな」

「…はい」

私が歩きはじめると黒崎先輩もさっさと歩いて社長室に戻っていく




「随分荒れたようだな」

社長室に戻ると社長が黒金さんに冷たく言い放つ

「悪かったな、親父さんが暴れちまってよ」

「奏…その怪我……」

「……大丈夫、痛くないから」

無茶な嘘を付いて出来るだけ口角を上げてみる、笑っているように見えるだろうか

「何で…何で、奏がそんな目に遭わないといけないんだよ!奏は悪くないのに!!」

「……そうかもね」

「だって、借金をしたのはお父さんなんだよね?じゃぁ何で奏が借金を払って、奏が殴られるんだよ!おかしいよ!!」

「……そうだね、でも」

よくよく考えればそうだと思う

でも、そうだとしても、私はやらないといけない


「あの人は、私のお父さんだから」

「っ…奏…」

「……嬢ちゃん」

音也と話していると黒金さんが私を呼ぶ




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