長めの夢 うたプリ(♀主人公)B
□甘くて苦いゼリー
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「まぁ、いいんじゃない」
「ありがとうございます」
今日も美風先輩のお題を提出して採点をしてもらっている
「音のブレも少なくなってるし、リズムの取り方も良くなってる。あとはメッセージ性がもう一つ欲しい」
「……メッセージ性…」
「そう。この商品が欲しくなる、っていう欲を誘うようなところ。カナデの曲はハルカと比べてそのあたりが弱い」
「欲…か」
とりあえず先輩が言ってくれた言葉をメモ帳を取り出してメモを取る
「でも曲全体を見るとハルカよりかは上だよ、87点といったところ」
「ありがとうございます」
思ってたより私の評価はいいらしい
この調子だとユニットも案外……
「あ、でも翔と那月の基礎もまだまだだからユニットはまだ夢の話だから」
「…………そうですか」
どうも、そう簡単にはいかないらしい
「…あの」
「なに?今日の課題はもう終わったんだけど」
「えっと……これを」
次の課題をもらって鞄の中から楽譜を取り出す
「なにこれ」
「ユニットのメロディーです」
「…僕、さっき言ったよね。まだ先だって」
「そうですけど…目を通してもらっておいた方がいいと思って」
「見たとしても歌うのは先になる。意味ないよ」
「これを二人にも見せたいんです」
「だから、意味が無いって」
「二人に、見てもらいたいんです。その許可をください」
「…………」
先輩の言うとおり、楽譜を見せたところでユニットをすぐに歌えることは無い
でも、それでも見て感想が欲しい、それか曲を気に入ってくれるならそれを糧に頑張ってほしい
………まぁ、これは完全に私の我が儘なんだけど