短編2

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柴崎さんに衝撃的事実に気づかされて、早一週間。
主な館内業務をこなし、平静を装うものの…カウンターに座る度にドキドキしてしまって、その時ばかりはまるで仕事にならない。

最初こそ、会いに来てるなんて…そんなことありえないでしょ、と思っていたのだけど、指名でレファレンス頼まれたり、休みを聞かれたり、食事に誘われたり…考えて見れば思い当たることばかりで、頭がパンクしそう。

柴崎さんに気づかされなきゃわからなかった、手塚慧が…私に好意を寄せているだなんて。



「う、わあ…」


そこまで考えて頭を抱えた。
今がお昼時で本当によかったと思う。
一般利用者も館内の隊員も、昼休みのため少数体制だから、この赤い顔は誰にも見られなくて済みそうだ。
そう悶々と考えながらも、ちらりと入口付近に目をやっている自分がいて、また顔が熱くなった。



「…やば、い。別にまだ…」



好きじゃないのに。
そう口には出せずに俯くと、見知った声が近くで聞こえた。


「よかった、カウンターにいてくれた」

「え…、な、手塚…さ」

「また君にレファレンス頼みたいんだけど、いいかな」



顔を上げなきゃよかった。
心底そう思った。
そしてそのあとのレファレンス内容についても、聞かなきゃよかったと後悔した。


「は、い…ご要望は…」

「ありがとう、実はね」



恋について調べたいんだ。
(君への感情は何なのかと思ってね)



*あとがき
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