小説 デュラララ!!

□これだから、雨は嫌い。
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ザァザァと学校の外は雨が降っている。




―――嫌な天気だな。

廊下で窓の外の雨を見ていた折原臨也は憂鬱そうに顔をしかめる。
雨が続くと髪も心なしか湿ったようになるし服も濡れる。
ハァとタメ息を突き再び廊下を歩く。



―――シズちゃんは雨、好きらしいけど…



臨也は最愛の恋人を思って雨の良い所を思い浮かべてみたが、嫌いなモノは嫌いだ。
そんな直ぐには好きにはなれない。
寧ろ、何故静雄は好きなのかに疑問を持たずにはいられない。


―――まぁ、人それぞれ、だけど。


何か、面白くない。
理由は簡単だ。
自分の好きな人の好きな事は自分も好きでありたいに決まっている。
だけど、雨を好きになれない自分が居る。
それが嫌だ。


―――だなんて、俺らしくないか。


ブンッと頭を振って雑念(?)を振り落としスタスタと廊下を歩く。
授業はもう終わり今はもうホームルームも終わりみんな思い思いに足を動かしている。
勿論、臨也も静雄を迎えに行くために足を急かしている。
今日は静雄の家に遊びに行くと約束をしていた。
それを楽しみにしていたので今日を乗り越えられたようなものだ。


―――久しぶりにシズちゃんの親がいないからなぁ…!


こういう時に自分は男だなと痛感する。
が、それに応えてくれる静雄がいてこそ、自分の男ぶりが発揮されるし―――


と、思ってふと我にかえる。


「はぁ…俺って何か変だな…」


これも全部雨のせいだ。
やっぱり雨は嫌いだ。

ズンズンと進んで微妙に火照った顔をパンと叩いてよしと気合を入れる。
教室はもう目の前だ。
あと少しでこんなちょっと変な自分とはおさらばだ。ぐっばい今の俺。


そう思って扉に手をかけた。
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