小説 デュラララ!!
□自分の気もちに正直に
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はぁ〜っっ!!あのくそノミ蟲の野郎っ!!
今日も彼―平和島静雄は自分に事あるごとにちょっかいを出してくる青年―折原臨也をブン殴る為に新宿へ朝早くから来ていた。
事の発端は…
昨夜の深夜…久しぶりに明日は休日だからと静雄は色々な店を回り家に着いた。
アパートの鍵を取ろうと前でゴソゴソしていると―横合いから男が現れ思いきりスコップで殴られた。
その数まさに、6人。
まぁ、いつもの様に病院送りな道を歩む男に静雄は問いかけた。
『おい、手前…なんで俺を襲う?』
『おっオリハラって野郎に言われたんだ!!あんたを殺したら10万やるって』
―――あんの糞野郎がっっ!!
…で、今に至るのだ。
そして、今まさに臨也のマンション前に静雄はいた。
凶悪な笑みを浮かべどうやって玄関を開けようか考えた。
―よし、インターホン押すか。
と、静雄が手を伸ばし―――
バンッ!!!
「ぅおっっ!?」
―――いきなり人が出てきた。しかも…女。
「あぁっ!!」
ん?泣いてる??
つか、顔真っ赤だぞ…
ここは臨也のマンション。
そこから出てきた涙女。
つまり………。
そこまで考え、静雄は知らず知らずのうちにインターホンに手をかけていた。
ピーンポーン
―うわ、やべっ!
ドアを挟んで向こうから「はいは〜い!!」とあわてた声が聞こえてきた。
静雄は思わずアタフタし何故か髪の毛を整えた。
ガチャ
「はいはぁ〜いっと、誰ですか?―――はい?」
その間抜けなはい?を聞いて更に間抜けな返事を静雄はした。
「手前…何だ、ソレ…」
そう。
臨也の腕には。
何故か1,2歳の赤ん坊が居たのだ。
「あー…これはね?つまり…」
「いや、言わなくてもそれ位俺にも分かる。…あれだろ?さっきの女とのガキだろ?」
「いや、全力で違うから!」
臨也がおもいっきり否定した。
「はぁ?違うのか?」
臨也のその否定を聞き、静雄は訝しむ。
今、目の前にいる子供はさっきの女との子だが、臨也はさっきの女の事なんか好きでも無かったため結婚は出来ない、
そう言って女が怒り、子供を置き去りにして出ていった…
という想像が出来あがっており、しかもかなりの自信があった。
のに…
「あー…まぁ、とにかく何でもいいけど上がって。ちゃんと事情を説明するから。」
「おっ、おう…」
こうして、静雄は己が何故ここに来たのか、その理由を完全に忘れ臨也のマンションの中へ
入っていった。