その他の2次創作
□旅立つ君へ
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「旦那ぁぁあああああ!!!!」
ガラッ
佐助が勢いよく幸村の部屋のドアを開ける。
「旦那聞いたっ!?竜の旦那が高校卒業したら…」
「…大学の話か?」
幸村はしれっと答える。まさか、知っているだなんて思ってもみなかったから佐助は、拍子抜けたような口振りで言ってしまう。
「え…?知ってたの?」
「ああ…昨日、学校の帰りに駅で」
佐助は、あんぐり口を開けている。
「どうした?佐助。そんな口をあけて」
佐助はありえないという口振りで幸村にくってかかる。
―――自分の勘が正しければ旦那は、
「旦那は竜の旦那が…その…」
普段見せないオドオドした口調に幸村は眉をよせる。
「んん??腹でも空いたのか?悪いが、さっき団子は全部食べて…」
「違うよ。そうじゃなくて…その…」
佐助の歯切れの悪さにだんだんイライラがつのる。
「腹が減ってないならなんだ?いい加減言ったらどうだ!?」
「だからッ!!旦那は竜の旦那の事が好きなんじゃないのっ!?」
「…は?」
言われたことの意味が分からず暫し頭が停止する。
「…それは、どういうことだ?」
主の頭の鈍さにほとほと呆れつつ、でもここはちゃんとはっきりさせなきゃ、という思いが先だって佐助は声高々に言う。
「竜の旦那に恋してるんじゃないのッ!?」
「―――え?」
いくらその手の話に疎い幸村でもそこまで率直に言われると理解はできる。
だが―――何故?
「…ん?恋…!?さっ佐助ぇっ!?はれん―――」
「今そんな事言ってる場合じゃないんだよ」
「しっしかも政宗殿は、おっ男だぞ!?」
佐助は呆れを飛び越え同情してきた。
まさか、そこから―――?
「いい?今のご時世ね、男が男を好きになる事なんかざらにあるんだよ。」
…と言っても本当に見たことがあるのは長曽我部と毛利しかないが…
「そっそうなのでござるかっ!?」
―――旦那でよかった。
「そうなんだよ。ってこんな事が言いたい訳じゃないんだよ!!」
佐助は、ダンッと机に手を置く。
「とにかくっ!…旦那は…その…竜の旦那といて、胸が熱くなったり…しなかった?」
佐助のしどろもどろな言い方に眉を寄せつつ幸村は考える素振りもせず、
「政宗殿といて、この胸が熱く滾らない事などないぞ?」
―――と。