小説 デュラララ!!

□君からもらう幸せ。
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臨也を抱きしめたりしてたら幾分冷静さを取り戻せた。


―――落ち着いた。大分落ち着いた。

で、分かった事が一つ。

「手前、わざとだろっっ!!!」


臨也を羽交い絞めにし、だんだんと力を強めていく。

グギギギ

「痛い痛い!!もげるよ!腕が!」

「俺を心配させたかっただけだろ!?」

「ピンポーン!!」

「おいっ!」

「だって…」

クルッと半回転し静雄に向きあう。
そのまま口を開き、静雄を殺しにかかる。



「嬉しかったんだもん。」



「っ…」

「ね?」

ふにゃと微笑み顔を傾けてこちらを向いた臨也を静雄は無性に愛らしくなった。

―――あぁ、なんかコイツといるともうやっぱりな、うん。


全ての世界が輝いて見える――そんな気がする。

「まぁ、あれだ…その………お前が無事で…良かった。」

今度は臨也が殺される羽目になった。

「っ!!」

「そんな訳で…その…安心したら…起った…」

…。

今、このシチュエーションで言ってほしくない言葉を聞いたような…。

「は?」


「しょうがないだろ!?最近全然してねぇし!」

「いや、そういう問題じゃないからね!?」

「まぁ、イイじゃねぇか?な?お前ん家でジャストタイミングだなおい。」

「いや、駄目でしょ?てかここ廊下だし!」

「まぁまぁ、これはこれで、おあいこっつう事で」

「いやぁ―――っ!助けて!」

そう叫ぶが、本当に嫌がっているのではなく。
楽しく。
嬉しく。
幸せで。

「シズちゃん!!」

「ん?」

今から臨也がいう言葉を知っているかのような微笑ましい表情で首をかしげる。
それを見て、更に嬉しくなって臨也は再度口を開く。

「だいs「臨兄ぃ〜〜〜!何してるの?喧嘩してるの?ねぇねぇ静雄さん静雄さん!」

「「ゲッ…」」


―――しまった、マイルがいた。


「兄…静…愛?」

「あ゛…」


―――クルリもいた。


二人は密着している臨也と静雄の周りをくるくる回っている。

だんだん、羞恥で顔が茹であがる。
双子も分かっててやっているのだから、その分タチが悪い。

「し…シズちゃん!!ほら、ああんなところに幽君がいる!!!」

「あ…ほほ本当だな!おーい!幽!」


玄関の窓に向かってブンブン手を振るとピクリと双子が玄関を向く。


「幽平さん!?待って待って!!!」

「…!」

トタタと玄関をこじ開け姿を消す双子。
ハァと溜息を同時に突き、目を見合わせ笑い合う。

「ほら!シズちゃんのせいであぁなったんだよ?」

「いや、お前が先にいわねぇのが悪いんだろ。」


と、いつもの悪態をついて、また笑う。

「俺ら、馬鹿だな。」

「何言ってるのシズちゃん!俺は馬鹿じゃないよ!」

「いや、充分すぎるくらい馬鹿だろ。」

「うわっ!ひどーい!!」

そんな会話を繰り返しながら一緒に手を繋いで臨也の部屋へ向かう。

「あ、さっき階段で転んだの。シズちゃん追いかける時に」

「あぁ?そうなのか?」

「ん、ちょっと擦りむいちゃった」

「舐めたら治るんだったよなぁ?」

「いや、ソレめいし…何?何で階段でしゃがむの?…わぁぁっっ!ストップ!!シズちゃん待った!分かった!俺が悪かった!!」

「なに言ってんだよ?ほら、さっきここに外れたボタン落としたから取っただけだが?」

何謝ってんだ?とニヤニヤしながらそう言う静雄を見て臨也は内心ケッと嫌な顔をする。

(どう考えても、ズボン捲っただろ、この馬鹿犬!!)


「まぁ、バンソコ貼ってやるからな。」

「…うん。」


やさぐれた返事をし、ずんずんと階段を上る。

「そう拗ねんなよ?」

「拗ねてないもん」

「ったく…」

そう言って頭を掻き腕を伸ばす―――臨也めがけて。

グイッ

「わっ…」


臨也は後ろから引っ張られ、必然的に静雄の胸に飛び込む。

ボフッ

そのまま抱きすくめられる。

「本当に、世話のかかる奴だな。」

「シズちゃんだって俺にいっぱいお世話してもらってるじゃん?」

夜とか夜とか夜とか…

「してもらってねえよ?つか、そういう話じゃねぇだろ?…まぁ」

「ん?なに―――んぐ?」

ちゅ

軽く臨也の唇にキスを落とす。



「そういう所が、好きなんだがな。」



「っ!!!!おっ俺だって負けてないもん!」

「いや、これは完全に俺の勝利だな。」

「いやいや!俺が勝つって!」

「いや、そんなみえ張るなってwww」

「張ってないもん!」


また、口論しつつ部屋に入る。


「あ、シズちゃん!さっき言えなかったんだけど…」

「俺も言い損なったんだけど…」








「「大好き」」



end.
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