小説 デュラララ!!

□君からもらう幸せ。
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〜1週間後〜

♪〜
静雄のケータイがメール着信のメロディを奏でる。

「ん?臨也?」

もう夏休みは明けており、今は放課後で家に帰る途中だ。
パカッとケータイを開けてメールフォルダを開く。
文面を読み、静雄は目を見開いた。

『ごめん、シズちゃんの言うとおりだったみたい。今日、ノートの件の女子の彼氏が俺の所に来た。今、家に居るんだけど来れない?』



―――ンの馬鹿野郎ッッッ!!!



静雄は臨也の元へ向かうべく、帰り道を変更して走り出した。


・。・。・。・。・。


ピンポン

焦りすぎて変なインターホン音になってしまったが今の静雄には関係ない。


ガチャ

「いざっ…!!」

「シズちゃん…まぁ上がって?」

臨也は心なしか暗い表情でそう言って、静雄をニ階の自室に招く。

「…おう…。」



臨也の部屋に行き、落ち着いてから静雄は初めて臨也の顔に付いている物に気付いた。

―――…?バンソ…、コ?

何故、臨也の顔にそんな物が付いているんだ…?

―――!!!!い…ざぁっ!!

バンッ!!

思いきり、机を叩き臨也を見る。
静雄も馬鹿ではなく、先ほどのメールで分からない訳が無い。

「何で、直ぐにいわねぇンだ!?」

臨也は一瞬ビクリと方を震わせたが、その後、目線を反らしボソボソと口を開く。

「だって…恥ずかしいし…」

「そんなの関係ないだろ!?俺達…付き合ってるんじゃねぇのかよ!?」

「付き合ってるよ!!でも、それとこれとは関係ないから!」

「何が、関係ないんだ!!何でも俺頼れって言ってるだろ!?なんでっ」

「だから関係ないんだってば!!何度言わせればいいの!?」


―――クソッ…これじゃ無限ループじゃねぇか…!


「…じゃあ、俺もう行くわ。邪魔したな。」

そう言い捨て荷物を取りながら立ち上がる。
臨也はいきなり立った静雄に驚き、次第に焦りの表情を見せる。

「えっ!?シズちゃんドコ行くのさ!?待ってよ…!」

そう言い、静雄の裾を引っ張りその場に留めようとするの臨也を見て
静雄は熱の冷めたような口調で臨也に言葉を向ける。

「今から、そいつ殴りに行く。」

「え…ってどうやって…?」

「お前にノート頼んだ女子に聞きに行くんだよ。」

じゃあな、とドアを開け階段を降りていく静雄をただ呆然と見つめる。



「シズ…ちゃん…シズちゃん!!!」

臨也が走り出した時には静雄はもう階段を全て降り切っておりもう玄関で靴を履いていた。

「シズちゃん!!!待って…!!」

そう叫び階段を急いで降りる。
静雄は聞こえたらしく、後ろを振り向いた。

「シズ…ちゃ」

「…ん、じゃあ、お邪魔しました。」

静雄は臨也の言葉を遮りそのまま玄関を開けた。

「シズちゃん!!!」

階段を転げ落ちる勢いで降りる。
最後の段で踏み間違い転ぶ。
それでも走る。

靴も履かずにそのまま家を飛び出す。
左右を見て、静雄の行った方へ駆ける。

―――まだ、間に合う!!

駆ける。駆けて駆けて駆けまくる。

「シズちゃん!!!シズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃん!!!!!!シズちゃぁぁぁぁぁぁぁああぁぁんっっ!!」

思いきり、静雄に抱きついた。

「うおっ!?」

―――というよりも、タックルをかました。

「シズちゃん!!やっと追いついた!」

「なんだよ?俺は、今から…」

「うん、だから止めに来たの!いいから俺の家に戻って?ちゃんと話すから、ね?」

そう言いつつ、引きずるように連れていく臨也。







・。・。・。・。

「はぁっ!?ウソっ!!?」

「うん…ってか、言ってるのにシズちゃんが気付いてくれなくて…」

「ま…まて…まて…つまり…?」

「彼氏には言われて面かせや状態になったけど勿論勝利で、この怪我は階段から落ちただけで…って、大丈夫?」

―――うそだろ、じょうだんだろ。おれ、かっこわるいじゃねぇか!!

「シズちゃん思ってる事口に出ちゃってるよwwwあと、ひらがなだよ?」

そんな事を言われても、何も答えれない。


―――いやいやいや!!!?


「そんな否定されても困るよ。」




「…まぁ?取り敢えず、落ち着こう?」
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