小説 デュラララ!!
□夏だ!海だ!全員集合!!
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「じゃあ、みんな!海に入ろう!海海海―――っ!!!」
新羅がにやけた顔でそう高々と告げる。
「帝人〜、杏里の水着みて鼻血出すなよ〜?」
「ははは、正臣じゃあるまいし。」
「笑顔で言うな、笑顔で。」
「園原さんも気を付けてね?正臣から半径2メートルは離れるようにね」
「って、何気にスル―!?」
「はい。気を付けます。」
「って杏里ぃぃぃぃ!!!」
来良学園の3人が仲良く話しているのを臨也は遠目に見ていた。
―――俺も正臣君みたいに軟派だったら良かったのかなぁ…
そんな事を真面目に考えている自分に馬鹿らしいと思うが
そう思わずにはいられない状況になっていたのだから仕方ない。
―――何なの、あの女…さっきからシズちゃんにベタベタして…
先ほど、何故か静雄の後輩のヴァロ―ナが静雄を追いかけてきたとかどうとか
…まぁ、簡単に言うと静雄を取られたのだ。
―――シズちゃんも何で嫌な顔しないのさ…
歯軋りをしつつだんだんとイライラが募ってきた時、新羅が声をかけてきた。
「…何だい、新羅」
「いや?一緒に泳ぐの競おうと思ってね。」
―――ウソ付け。目が笑ってるぞ、目が。
「と、まぁ冗談だけど☆まだ水着にもなってないしね」
「あぁ、今は女の子が着替えてるんだろ?」
「そうなんだよ!!はぁ、セルティの水着姿を拝めるなんて夢の様だよ。」
目をキラキラ輝かせそんな訳の分からない言葉を振りかけてくる。
「…そんな事を言いに来たのかい?」
「あ、違うよ?ただ、どうしたんだろうなぁ〜って、セルティが気にしてたから。」
「…あっそ。」
プイッと臨也が顔を背けると新羅は口元を歪ませた。
「―――臨也も素直じゃないよねぇwwwま、昔からそうだけどね☆」
「は?」
「ううんっ♪ 何でもないよ!じゃあ、もう行くね。そろそろ僕らも着替えるから準備しておいてね。」
そう言い捨て、新羅はさっさと歩いていく。
「…っていやいや!!おいおいおいおい!!新羅!?何だい今の!」
ハッと我に返り臨也は新羅の肩をつかんだ。
クルッと新羅が振り返る。
「え?なに?」
「なに?じゃなくて!!今のどういう意味!?俺、新羅に何か言ったっけ?」
「言ってないけど…みてたらバレバレだよ☆どんだけヴァロ―ナちゃんのこと睨むのさ?」
「っ!!」
ばれて、いる…
「あ、因みにセルティも知ってるよ?」
「は、ぁっ!?何でっ…!」
「まぁ、いいじゃない。ていうか、それを聞くだけでいいの?他に聞きたい事いとかあるんじゃない?」
にやつきながら新羅は口を開く。
「…僕らは君と静雄を結構真面目に応援してるんだ。」
「……は?」
「だから、ね?この旅行で決めて貰うのが僕らの望みでもあるんだ。分かるよね?」
「…そんな事言われても…だって俺…」
「高校の時から好きだけど告白出来てない、とか?」
「…」
「別に今言えばいいでしょ。ってか言ってもらわないと…」
「…ないと?」
「…セルティが2人の事ばっかり言うんだ。」
真面目な顔でそう言われ臨也は思わず噴き出していた。
「ハハッ、やっぱり運び屋絡みか。」
「いや、セルティは勿論だけど…僕もちゃんと応援してるから…」
「で?新羅と運び屋はこのヘタレな俺にどうして欲しいの?」
「物分かりが良くて助かるよ。…今夜、花火やろうと思うんだけどコンビニまで2人で行ってくれるよね?」
―――うわぁ、無理難題キタ―――!!!
「いや、俺はいいけどシズちゃんが良いって言う訳ないし」
「大丈夫wwwセルティが頼めば静雄は何も言わないよ!」
そう言われるとそうな気がして臨也は思わず
「…ッ分かったよ。」
そう言っていた。