小説 デュラララ!!

□自分の気もちに正直に
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「で、つまりそういう事なんだ。」

「…このガキが粟楠会の幹部の姪だってか?」

「そういう事☆」

なんでも、粟楠会の幹部である四木の姪で田舎から一時期預かっているのだそうだ。
だが、四木も多忙の身であるため臨也に頼んだそうだ。
それも仕事の一環らしく昨日の夜からずっと面倒を見ているとか。

「さっきの女は?」

「あぁ、波江さんだよ?」

「…?泣いていたぞ?」

「何かねー…この子を見てたら誠二に会うわ!って言ってね。出てったきりさ。」

「…そうか…。」

女ってやつはわからねぇな…


「あ、そうだ。シズちゃん。」

「あぁ?」

「…ちょっとこの子一緒に面倒見てくれない?」

コイツにしては珍しい事を言うなと思って臨也の顔を見上げ―
その顔を見て、一瞬…


――世界が止まった、気がした。


「いいかな?シズちゃん。君に子供が好きそうって感じはすっごくしないけど
俺もそれは同じだし…だからお願いっ!!」

そう言い、頭を下げる臨也。



「まぁ、いいけど…」

そんな臨也を見て、静雄は無意識にそう答えた。

「本当!?有難う!!!」

そう言い残し、足早に部屋に戻って行く臨也。


「あっ、おい!…って聞いてねぇな…」

まぁ、別にいいか…。


その時の静雄は何故か機嫌が良かった。
静雄自身はそんな事まったく知らないが…



それを知るのはまさに…

神のみぞ、である。


。。・。・。・・。・・。・。


「散歩、気持ちいね!!シズちゃん!!」

「あぁ、良い天気だもんな。」

「うぅ〜♪」

「ハハッ、君も気持ちいいんだ?」

「うん!!」


その後、静雄と臨也は子供と一緒に散歩をしていた。


公園は良い天気だというのに、人が全くいない。


「じゃあ、シズちゃん!!俺、遊んでくるからそこで荷物みててね!!」

「お兄ちゃん!!はやく!!」

「うん、待ってー!」

きゃっきゃっと子供と笑いながら遊んでいる臨也は
いつもの何か裏のある笑顔などではなく…
とても可愛く、愛らしく、守ってやりたい、そんな笑顔だった。

「…あぁ!?だめだめ!そこ俺の陣地だから!!そこからは入っちゃだめだよ!」

「うん!!」

そんな会話を聞いて、思わず静雄は笑っていた。

―――ガキか、あいつは。


だけど、そんな臨也が好き―――

と、そこまで考え、ハッっと気付く。

今、何を考えた?

「…俺、頭でも湧いたか?」

あんなノミ蟲なんかを…
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