捧げDB小説
□此処はエデン
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真夜中
ベジ―タが眠る横で、ブルマは無数の星を見上げていた。
溢れ出す涙が止まらない。
「あんたじゃなきゃ…駄目なの…」
ベジータはヤムチャとは違う。行為の最中の愛の囁きもなく、買い物もデートもブルマの望む事は何一つしてくれず、会話は修行の事ばかり。
男と女の関係になってから数ヶ月。なんら変わる事のない日常が不安だった。
ヤムチャに慣らされた体と心が、体を重ねる事では満たされない愛のカタチに飢えていた。
「ねぇ…私の事愛してる?それとも利用してるだけ?」
そう言って、ブルマがべジータの頬を撫でると、べジータはうるさそうにブルマに背を向けた。
ブルマは、せめて体だけでも離すまいと、べジータの背を抱きしめてそのまま眠りについた。
べジータはずっと目覚めていた。
ブルマの裸の胸から伝わる体温に、べジータもまた苦悩していた。
愛してる…と言えない事はない。しかしヤムチャが散々呟いたであろうその言葉を言うのは、プライドが許さない。
チッ…
ベジータは舌打ちをして、無理やりに瞳を閉じた。