bun

□ロマンスエクスプレス
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どうしてこうなったのか、実はよく覚えてない。
任務でミラノにいた。そこからロンドンに行くことになった。それは良い。
デュナメスが邪魔だから公共機関の移動手段を使う。それもわかる。
ロンドンのとある機関に行くのに、オペレーターであるフェルトも同行することになった。…無くはないから良しとしよう。
なんで、俺たちは超人気の寝台特急に乗っているのか!
普通はこれバカンスで乗るもんだろうとミス・スメラギに言ったら「偶然取れちゃったのよ楽しんでらっしゃい」と言っていた。偶然でこんな寝台特急取るかっつうの!なんで飛行機にしない!?
「ホテル!ホテル!」
「お前はそれしか言えんのか!」
部屋はさながらホテル並み。ベッドに変形するソファーが一つと洗面台。各部屋にサーバーのスタッフが付いている。
だから、なんでCBがこんな列車(しかも古き良き遺産って事でエネルギー石炭ですよこれ)に乗っているんですか、頭いてぇ。
コンコンと控えめに扉が叩かれる。
「ロックオン、お邪魔しても良い?」
「フェルトフェルト!」
相棒が待ってましたと言わんばかりに狭い部屋の中を飛び跳ねる。
「あぁ、ちょっと狭いけど良かったら。」
「ありがと。」
旅は長い。仲間がいるならそれに越した事はないと思う。フェルトは扉から入ると俺の隣にハロを抱えてちょこんと指定席のように座った。
「ハロ、お邪魔します。」
「フェルト気ニスルナ!」
「お前が言うかよ!」
相棒とのどつきあいは彼女の表情を和らげる。
「綺麗な列車だね。」
「そうだな。」
「…こうやってずっと残っていく物もあるんだね。」
「あぁ。」
俺たちは破壊することしかできないけど。


この君との一時が、どうか壊れませんように。










END
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