学校至上主義!!!
□Case1 翠になるというコト
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「よっし!行きますか!」
取り敢えず前の学校の制服を着て、菜那瀬は玄関を出た。勿論、
「「「お嬢!行ってらっしぇえまし!!!」」」
恐持てのオッサン達のお見送り付きで。
「行ってきま〜す」
別段、菜那瀬は気にする訳でもなく学校へ向かった。
元々、翠蘭学園も歩いて20分位の距離に有ったので菜那瀬は歩いて学校に行った。
校門に辿り着くと、やはり生徒達が好奇の視線を投げ掛けてきたが、たいして気にも留めずに堂々と菜那瀬は理事長室に向かった。
『コンコンッ』
「賢ちゃ〜ん!来たよ〜」
ドアをノックすると、まだ眠気眼な賢士朗が笑顔で出迎えた。
「おぅ、ナナ…早ぇな。」
そう言うと賢士朗は菜那瀬を理事長室に入れた。
「そこのハンガーに掛かってるのが翠蘭高等部の制服。今は翠の生徒しか着ないけどな……」
ハンガーに掛かっている制服はデザインも良く、碧と黒のチェック柄のスカートが可愛い。
「うわぁ〜可愛い〜☆★」
眼をキラキラと輝かせる菜那瀬を賢士朗はほほえましく見守りながら煙草を口にくわえた。
「更に翠の特典…制服の着こなし自由。」
「まぁじでぇ!?」
そんな思いがけない特権に菜那瀬は嬉しさを隠せない。
「ま、制服のベースが乱れない程度にしてくれよ?」
「うん!サンキュー!賢ちゃん!」
菜那瀬は早速、着替えの為に理事長室の隣の空き部屋へと移った。
そんなこんなで、2人がのほほんとしている間に高等部全生徒に情報が回り始めていた。
『新しい翠が来た』
その情報に薄気味悪い笑みを浮かべる輩も居れば、これから始まる『翠追放ゲーム』を遠巻きに見届けようと噂し合う生徒も居て、各々反応はまちまちだった。
一方、菜那瀬と賢士朗はそんな生徒達の動向を知ってか知らずか呑気に【京丞に売り付ける用】の菜那瀬の制服の写真を撮っていたりしていた。