アリス
□第三十八話
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「丸腰じゃあいつには敵わないからな。チッ」
「……ぁ…」
そう言えば思い出したことが一つ。
「帽子屋から貰った紙、あれ見せて」
「………」
「三月うさぎっ!」
「帽子屋」の単語を聞いただけで更に不機嫌な顔をした三月うさぎにアリスは渋々ポケットから出ると下の方へと降りていく。
「ぅ、あ…」
タンクトップに上着を着ただけだからよく揺れる。せめてチャックを半分ほど閉めてくれれば少しは楽なのだが。
「あ、アリスッ…」
三月うさぎはそっとアリスを捕まえると渋々帽子屋から貰った紙を入れたポケットにアリスを入れた。
「ありがと」
「アリスに怪我でもされると俺が困るんだよ」
三月うさぎの顔が赤くなってる理由は分からないが、アリスは手紙を広げた。
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