アリス

□第三十六話
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「誰だっ、てめえはっ!?」
「ひぃいいいいっ!!!」

家から出ておよそ一秒…。
時計ウサギと三月うさぎが出会った。

「こらっ、三月うさぎっ!!」
「…チッ」

三月うさぎは構えていた小型の銃を降ろす。

「これだから帽子屋の所には来たくなかったんですっ!」

ぼろぼろと泣きながら時計ウサギが言った言葉にアリスは納得した。

「『うさぎ』のくせに根性がない奴だな…」
「……、まさか他にも『うさぎ』とかいるの?」
「そんなのいるだろ。親とかもうさぎだからな」
「………」

なにか当たり前な返答でぽかんとしてしまう。

(色を奪われたりとかしてるから…親は亀だとか思っていたわ。だって、滅茶苦茶なんですもの)
「今かなり失礼なこと思ったろ…」
「えっ?!い、いいえ…」

冷や汗をかきながら首を横に振った。



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