□第九話
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お茶会はチェシャ猫がアリスを引っ張って行ったので強制的に終わった。

「色を探すって…、どうやって?」
「アリスが見つけるんだよ」
「いや、それは分かっているから…」
「アリスが隠したからね」
「黒のアリスがねー。私、そんな人知らないんだけど…」
「アリスはアリスを知ってるよ。もちろんアリスもアリスを知っている…」
「ややこしいこと言わないでよっ!つまり私も黒のアリスも知り合いってことなんでしょっ?!」
「そうだよ…」

色がなくなって白くなった森を歩く。

「でも色を探せって言われても分からないし…、だいたい、どうして私が尻拭いみたいなことしないといけないのよ…」
「アリスだからね」
「私の本名…、アリスじゃなかったような気がする…」

記憶がないから仕方がなかったがアリスの本名は違ったはず。

「さあ、アリス。くじけず進もう…」
「………」

どうやら疑問は無視されたらしい。



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